バイデン米大統領、カブール空港への攻撃またあり得ると警告

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混乱が続くアフガニスタン情勢についてジョー・バイデン米大統領は28日、カブール空港への攻撃が近くまたあり得ると警告した。米軍幹部の報告では、早ければ29日にもあり得るという。
カブール空港では26日午後6時ごろ、米英両軍の兵士が空港に入る人たちの手続きをしていたアビー・ゲートで自爆攻撃があり、約170人が死亡した。過激派勢力「イスラム国(IS)」系の地元組織「ISKP(イスラム国ホラサン州)」(ISIS-K、IS-Kなどと呼ばれる)が犯行声明を出した。
これを受けて米軍は27日、アフガニスタン東部ナンガルハール州へのドローン攻撃を実施。米中央軍司令部は米東部時間27日夜(日本時間28日午前)、「地平線を越える対テロ作戦をIS-Kの計画者に実施した」と声明を発表した。「無人空爆はアフガニスタンのナンガルハール州で行われた。初期の兆候によると、我々は標的を殺害した。市民の被害の報告は得ていない」としている。
ロイター通信は当局筋の話として、中東から出発した「リーパー」ドローンがアフガニスタン東部で「ISーK」の関係者を攻撃したと伝えた。攻撃で死亡したのは「立案者」と「進行役」だったとされるものの、カブール空港攻撃との関係は明らかになっていない。
バイデン大統領は28日、「空爆はこれで終わりではない。あの凶悪な攻撃に関与した者はだれでも、引き続き追い込み、代償を払わせる」と声明で述べた。
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IS-Kは、アフガニスタンで活動する武装ジハーディスト(イスラム聖戦主義)グループの中で、最も過激で暴力的な集団。アフガニスタンの大部分を掌握した武装勢力タリバンとは、アメリカとの戦いを放棄して和平合意に応じたことを融和的すぎると非難し、対立している。
一方タリバンは米軍によるドローン攻撃を批判。まず自分たちと協議すべきだったと、報道担当者はロイター通信に話した。
11万人以上が退避
これまでカブール空港を管理していた駐留米軍は、空港からの撤収を開始している。兵士の人数は先週の時点で最多だった5800人から、現在は4000人に減っている。
米軍の撤収期限は8月31日。今後数日間が、退避活動が始まって以降最も危険なものになると、ホワイトハウス関係者は警告している。
AP通信によると、タリバンは空港周辺の検問所を増設し、ほとんどのアフガニスタン人の通過を禁止している。
今月15日にタリバンがカブールを掌握して以来、外国人とアフガニスタン人を合わせて計11万人以上がカブール空港から退避した。

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イタリア政府の最後の輸送機は28日、カブールからローマに到着した。イタリア政府によると、アフガニスタン市民5000人近くを退避させたという。これは欧州連合(EU)の加盟国で最多。
フランスは今月17日以降2800人以上を退避させたとしている。ドイツは約4000人のアフガニスタン人を受け入れたと説明している。
イギリス国防参謀長のサー・ニック・カーター将軍は、全員を救出できなかったことに「痛切」な思いがすると述べた。
空路での退避の可能性がなくなりつつある状況で、多くのアフガニスタン人はパキスタンと接する東側の国境を越えて脱出しようとしているという。
南部スピン・ボルダークの町に近い国境ゲートは開放されており、一部のアフガニスタン人はここから出国したもよう。主要越境地点トルカムのゲートは閉鎖されている。

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タリバンのカブール掌握以来、国際支援団体は資産を凍結し、銀行では取り付け騒ぎが起きるなど、アフガニスタン経済は大混乱している。
28日にはカブール市内各地の銀行前で大勢が集まり抗議した。
「この状況が続き、政府職員が給料を受け取れず、事業者が銀行から取引資金を得られなければ、とんでもない結果になる。社会に貧困が広がり、誰も問題を解決できなくなる」と、抗議する男性はロイター通信に話した。











