アフガン陸軍トップ解任 タリバン進撃続ける

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反政府勢力タリバンがさらに複数の都市を制圧する中、アフガニスタン政府は陸軍トップを解任した。タリバンはこれまでに、アフガニスタンの34州のうち9の州都を支配下に収めた。11日にはカンダハールやガズニなどの都市で激しい戦闘があったという。
消息筋は11日、BBCに対して、6月に陸軍トップに就任したばかりのワリ・モハンマド・アフマドザイ将軍を解任したと述べた。
国連によると、過去1カ月の間に1000人以上の民間人がアフガニスタンで殺害されているという。
アシュラフ・ガニ大統領は同日、北部マザーリシャリーフへ移動し、政府を支持する勢力を鼓舞した。マザーリシャリーフは伝統的に、反タリバン勢力の拠点。
ガニ大統領はマザーリシャリーフで、ウズベキ系部族軍の長、アブドル・ラシド・ドストゥム司令官や、タジク系部族のリーダー、アッタ・モハンマド・ヌール司令官と、マザーリシャリーフ防衛について協議した。
ドストゥム司令官は、「タリバンは何度か北へやってきたが、いつも包囲された」と話したという。

ガニ大統領は長年、アフガニスタン国軍を増強するため、各地の軍閥(部族軍)を遠ざけてきた。しかし、タリバンが進攻を続ける緊急事態となり、その助けを求めていると、BBCのエティラジャン・アンバラサン記者は指摘する。
大統領はこれまでに、政府寄りの民兵組織に武器を提供すると約束している。

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マザーリシャリーフはウズベキスタンやタジキスタンとの国境に近く、ここがタリバンの手に落ちれば、政府は北部での支配力を完全に失う。
北部クゥンドゥーズ州の州都クゥンドゥーズでは、数百人もの国軍兵士がタリバンに降伏した。
地元報道によると、タリバンはクンドゥーズ空港を占拠し、そこに駐留していた陸軍部隊が降伏したもよう。
現地消息筋はBBCに対して、東部ガズニでも11日にタリバンが市の中心部に入り、激しい戦闘が続いていると話した。
赤十字国際委員会(ICRC)によると、アフガニスタン第二の都市カンダハルでは、「道筋ごとに」白兵戦が行われているという。タリバンはカンダハルの刑務所を占拠したと主張しているが、これは確認されていない。
米政府関係者の1人はCBSニュースに対して、首都カブールが3カ月以内にタリバンに陥落する可能性があると話した。一方で同じ政府関係者はロイター通信に対して、アフガン国軍が反撃すればタリバンの勢いをくじくことは可能で、カブールが必ず陥落すると決まったわけではないと述べた。
匿名で話しているこの政府筋は、米情報機関の分析をもとに話していたとされる。
「90日以内にカブール陥落」というこの分析は、10日付の米紙ワシントン・ポストも複数の消息筋の話として伝えた。
これについて、ガニ大統領のワヒード・オメル上級顧問はBBCに対して、「私たちは今大変な思いをしているが、それでも自分たちが勝つと承知している」と話した。「(タリバンは)一定の国土を獲得したが、大事なのは面積ではなく、人だ。国民は(タリバンを)望んでいないし、国民を攻撃したのは失敗だったと、間もなく分かるようになる」と、オメル氏は述べた。
ヘルマンド州ラシュカル・ガーでは、ICRCのロバート・マルディーニ氏が、「遺体の多さに病院が苦労している」と述べた。
地上戦に加えて、米軍とアフガニスタン軍の戦闘機が各地のタリバン拠点を空爆している。
各地の戦闘激化を受けて、多くの住民が家を避難している。クンドゥーズの自宅をタリバンに焼かれたという35歳の露天商は、「パンを買う金も、子供の薬を買う金もない」とBBCに話した。
プルエクムリ市を逃れたという女性は、「良い暮らしをしていたけれども、空爆のせいで家を失った」と話した。
アフガニスタンの政治家シュクリア・バラクザイ氏は、タリバンの進撃は「地球全体にとっての赤信号」だと警告した。









