「衝撃的」とメルケル首相 ドイツ洪水被災地訪れ

Mrs Merkel (centre) and Rhineland Palatinate premier Malu Dreyer (second right) talk to residents in Schuld

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画像説明, 被災地を訪れ住民の話を聞くメルケル首相(18日、ラインラント・プファルツ州シュルト)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は18日、洪水で甚大な被害を受けたドイツ西部の被災地を訪れ、「衝撃的」だと話した。

15日からドイツやベルギーなど西欧の広い地域を襲った河川の氾濫による大規模な洪水により、ドイツでは少なくとも157人、ベルギーでも少なくとも31人の死亡が確認されている。

甚大な被害を受けたラインラント・プファルツ州のシュルト村を視察したメルケル首相は、住民や救急隊員などから話を聞いた後、緊急の復興支援を急ぐと約束した。

被災した住民を「支える」と表明したメルケル氏は、「恐ろしい」状況だと述べた。

「被害の規模を言い表すにも、ドイツ語にはふさわしい言葉がないように思える。衝撃的だ」とメルケル氏は話した上で、「ただし、素晴らしくほっとさせられる様子も目にした。大勢が支え合い、助け合っている。大勢が連帯している姿に安心させられた」と述べた。

オラフ・ショルツ財務相は、21日の閣議で3億ユーロ(約390億円)規模の緊急支援パッケージを提案すると述べた。

ドイツ南部やオーストリアでも被害

Overturned vehicle in Berchtesgaden, Bavaria

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画像説明, 17日夜の豪雨で独南部バイエルン州にも被害が出た

激しい降雨は、今ではオーストリアやドイツ南部に被害をもたらしている。

オーストリア当局によると、首都ウィーンでは17日夜、過去7週間の合計よりも多い量の雨が降った。

救急隊は、街の一角が冠水したザルツブルクで住民を自宅から救助。床下浸水や道路の冠水が各地で起きたオーバーバイエルン行政管区では、1人が死亡した。

ドイツ西部のボンから南東にあるシュタインバッハタル・ダムを点検した当局者は、依然として決壊の危険があると警告した。下流地域の住民はすでに避難している。

Man removes mud from property in Bad Muenstereifel

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画像説明, 建物に流れ込んだ泥を片付ける男性(ドイツ西部バート・ミュンスターアイフェル)

欧州各国の首脳たちは、河川氾濫の原因は気候変動だと述べ、対策強化を呼びかけている。

洪水発生の原因は複合的だが、気候変動による気温上昇は激しい降雨のきっかけになる。

地球の平均気温はすでに工業拡大以前(1850~1900年)に比べて、1.2度上昇している。各国政府が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しなければ、平均気温は上昇し続ける。

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気候変動が洪水を引き起こす仕組み

  • 気候変動によって地球の気温が上昇すると、大気へ蒸発する水分量が増える
  • 大気中の水分量が増えると年間降雨・降雪量が増える
  • 同時に気温上昇によって空気中の飽和水蒸気量(大気中に存在できる水蒸気の量)が増えるため、これも降雨の勢い激化につながる
  • このため、穏やかに降る雨とは異なる、洪水や土砂崩れにつながる豪雨が頻発するようになる
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画像説明, 赤印が洪水・浸水した地点