タリバン、アフガン駐留軍は「期限内に撤退しないと危険及ぶ」と警告

アフガニスタンで米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍の駐留部隊の撤退が進む中、同国の反政府武装勢力タリバンは4日、9月11日の撤退期限後も同国内に残った外国軍には危険が及ぶ可能性があると、BBCの取材で述べた。
ジョー・バイデン米大統領は今年4月、タリバンによる攻撃継続などを理由に、撤退期限を5月1日から9月11日に延期すると発表した。今年の9月11日は、アメリカのアフガニスタン空爆開始の契機となった米同時多発攻撃から20年の節目にあたる。
この撤退期限後も、主に米軍の1000人が外交使節団や首都カブールの国際空港を守るために現地に残る可能性があると報じられる中、タリバンのスポークスマンが外国軍に危険が及ぶ可能性について警告した格好だ。
NATO駐留部隊の20年にわたる軍事任務はほぼ終了している。
しかし、アフガニスタン国内の暴力行為は増加の一途をたどっており、タリバンは領土を拡大している。
アフガニスタン政府は政府軍だけで十分、反乱勢力を抑え込めるとしているが、カブールの今後の情勢について懸念が高まっている。
「カブールにとどまるべきではない」
タリバンのスポークスマンで、カブールのタリバンの拠点からBBCの取材に応じたスハイル・シャヒーン氏は、カブールを軍事的に占領することは「タリバンの方針ではない」と述べた。
一方で、撤退期限後は軍事請負業者を含むいかなる外国軍関係者もカブールにとどまるべきではないと語った。
「ドーハでの合意に反して外国勢力が部隊を(アフガニスタン国内に)残した場合、我々がどう行動するかは我々の指導者が決定することとなる」
「我々はそうした事態に対処することになるだろう。最終的な決定は我々の指導者が下すこととなる」
シャヒーン氏は、外交官やNGO団体、その他の外国の民間人がタリバンの標的になることはなく、このような人たちを継続的に保護する部隊は必要ないと主張した。
「我々は外交官やNGO、労働者に対してではなく、外国の軍事力に反対している。NGOが機能し、大使館が機能することは国民にとって必要なことだ。我々はこのような人たちにいかなる脅威も与えない」
選挙には応じない方針か
アフガニスタンからの撤退をめぐっては、米政府が2日、首都カブール北郊にあるバグラム空軍基地からの駐留部隊の撤収が完了したと発表した。バグラム空軍基地は2001年10月に始まったアフガニスタン空爆以来、反政府勢力のタリバンやアルカイダに対する米軍などの最大の作戦拠点だった。
シャヒーン氏は、同基地からの撤収完了は「歴史的瞬間」だとした。
最近アフガニスタンで暴力行為が増加していることについては、タリバンの関与を否定した。
シャヒーン氏は現政府は「瀕死(ひんし)の状態」だとし、同国を「イスラム首長国」と呼んだ。これはタリバンが国を神権政治に基づいて統治することを想定し、同国政府の選挙要求に応じる可能性が低いことを示すもの。
同氏によると、タリバンと政府の交渉ではこれまでのところ、選挙の話はあがっていないという。
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ドナルド・トランプ前米政権下の昨年2月末、アメリカとタリバンは今年5月1日までに米軍が完全撤退する代わりに、タリバンは外国部隊への攻撃をやめ、タリバン支配下にある地域でアルカイダなどの過激派組織の活動を認めないことで、合意していた。
バイデン大統領は今年4月、タリバンによる攻撃継続などを理由に、撤退期限を5月1日から、米同時多発攻撃から20年を迎える9月11日に延期すると発表した。
複数報道によると、数日以内に撤退が完了する可能性もあるという。
アフガニスタンのラズワン・ムラド議員は政府を代表して、外国軍の撤退が無責任に進められていると述べた。
ムラド氏はBBCに対し、アフガニスタン政府は話し合いと停戦の用意ができているとし、タリバンは今こそ和平に向けて努力していることを証明すべきだと述べた。

画像提供, Reuters
タリバンは4日、南部カンダハル州のパンジュワイ地区を占領した。同組織は現在、国内の約400地区の4分の1ほどを支配しているとしている。
米軍が主導する有志連合によるアフガニスタン攻撃は、同時多発攻撃を機に2001年10月7日に始まった。
同時多発攻撃は、アフガニスタンを拠点にするタリバンが支援するアルカイダによるものとされた。
バイデン大統領は、20年近い米軍の活動によって、イスラム聖戦派勢力がアフガニスタンを拠点に欧米攻撃を計画することはもはやできなくなったとして、米軍の撤退は正当だと主張している。
こうした中、アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、政府軍だけで十分、反乱勢力を抑え込めると主張している。だが、外国軍の撤退によって同国が再びタリバンの支配下に置かれる危険性があると考えている人も多い。










