フェデラー、全仏テニスを棄権 手術後の膝を守るため

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パリで開催中のテニスの全仏オープンで、4回戦進出を決めていたロジャー・フェデラー(スイス)が6日、棄権した。膝を守るためだと説明した。
4大大会(グランドスラム)で20回優勝しているフェデラーは前日の3回戦で、ドミニク・ケプファー(ドイツ)を接戦の末に下していた。
39歳のフェデラーは、「2度にわたって膝の手術をし、1年以上をリハビリに費やした今、身体の言うことを聞いて、回復の道を急ぎ過ぎないようにすることが大事だ」と述べた。
7日には第9シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)と対戦する予定だった。
フェデラーは大会主催者を通して発表した声明で、「自分のチームと話し合った結果、ローラン・ギャロス(で開催されている全仏)を今日、棄権すべきだと決心した」と説明。
「3試合を戦えてとてもうれしい。コートに戻るのは最高の気分だ」と述べた。
ウィンブルドンに照準
2009年の全仏オープン覇者のフェデラーは昨年、2度にわたって膝の手術を受けた。以降、今大会までの16カ月で3試合しか実戦を経験していなかった。
フェデラーが、今月28日開幕のウィンブルドンに照準を合わせているのは明らかだ。
3回戦のケプファー戦は7-6(7-5)、6-7(3-7)、7-6(7-4)、7-5の激戦で、終わったのは真夜中の0時43分(6日)だった。試合では時折、調子が完全ではない様子や、動きのぎこちなさがうかがえた。
試合直後には、膝を痛めるリスクが大き過ぎると感じた場合、棄権する可能性もあると述べていた。
マリーらが理解示す
元世界ランキング1位で、グランドスラムで3回優勝しているアンディ・マリー(イギリス)は、ツイッターでフェデラーの決断を支持した。
フェデラーの棄権は他の選手らに「失礼だ」と批判するツイートへの返信で、マリーは「バスケットボールやサッカーなどでは(中略)選手たちは体調を整えるため出場時間を減らすことがある」、「テニスでは、最初の試合で1セットだけプレーし、次の試合で2セットをプレーするといった具合にはいかない」と説明。
「自分の体の調子や試合の長さに基づいて判断するのは、もっともなことだと思う。彼は理性的な決定をした」と投稿した。
フェデラーは今年の全仏オープンについて、最も重要視しているウィンブルドンをベストな状態で戦うための練習だと、開幕前に表明していた。
芝コートのウィンブルドンは、フェデラーのプレースタイルにもっとも適した大会だ。そのため、彼にとってはグランドスラムの優勝記録を更新する最大のチャンスとなる。
やり残した仕事
2019年の決勝では、ノヴァク・ジョコヴィッチ(セルビア)を相手にマッチポイントを2度握りながら敗れ、9回目の優勝を逃した。フェデラーは、ウィンブルドンでやり残したことがあると感じている可能性もある。
世界ランキング2位のダニール・メドヴェージェフ(ロシア)も、フェデラーの決断に理解を示した。
「彼が今も四大大会のタイトルを目標にしているのは、誰もが知っていることだ。彼が50歳になっても、ウィンブルドンを目標にし続けるはずだ」
「彼にとっては大きなチャンスだ。最高の準備をしたいと思っているはずだ」
最後の全仏だったのか
8月で40歳になるフェデラーは近年、全仏オープンを欠場することが多かった。2016年からは3年連続で、けがと負担軽減を理由に出場を辞退した。
2019年に大会に復帰し、準決勝まで進出した。しかし昨年は、膝の手術からの回復のため欠場した。
今年が最後の全仏になるのか、フェデラーは意向を明らかにしていない。5日夜の3回戦は無観客のスタジアムでプレーしており、もっとふさわしい状況で「さようなら」を言いたいと考えているかもしれない。
スタジアムが無観客で奇妙な静けさに覆われていたのは、新型コロナウイルス対策のためだ。観客でびっしり埋まったコートでプレーし、多額の賞金を得てきた選手にとって、今年の全仏はパリに別れを告げる場としてふさわしいとは思いがたかった。










