テニス4大大会、大坂なおみを「可能な限り支援したい」 意味ある改善目指すと

Naomi Osaka in her French Open first-round match

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テニスの4大大会第2戦、全仏オープンに出場していた大坂なおみ(23)が、自分のメンタルヘルス(心の健康)を守るため試合後の記者会見を拒否し、その後全仏からの棄権を表明したことを受け、グランドスラム4大大会の主催者たちは1日、大坂が経験した問題を防ぐために「意味のある改善」を目指す意向を表明した。

テニスの女子世界ランキング2位の大坂は5月30日の全仏オープン初戦後の記者会見に応じず、1万5000ドル(約165万円)の罰金が科された。またグランドスラム4大大会の主催者たちは、今後も記者会見に欠席するようなら「より多額の罰金や今後のグランドスラムへの出場停止」の処分を受けることになると共同で声明を出していた。

この翌日の同31日、大坂はツイッターで全仏オープンから棄権すると発表した。

同時に、初のグランドスラム・タイトルを獲得した2018年の全米オープン以来、「長いうつの状態を繰り返し苦しんできて、対応が本当に大変」だったと明かし、「今から少しコートを離れる」などと書いた。

これを受け、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンは1日、大坂への「支援と援助」を申し出た。

「自分感じているプレッシャーや不安を、なおみが自分の言葉で語ったことを私たちは称賛する」

「テニスプレーヤーが直面するかもしれない、独特のプレッシャーに私たちは共感する」

4大大会の主催者は、全仏での対応をめぐり批判されている。

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4大大会は何と

「大坂なおみがコートから離れる間、可能な限りの支援と援助を提供したい」と、4大大会は述べた。

「彼女は傑出したアスリートで、彼女が自分で適切だと判断したら直ちに復帰するのを楽しみにしている」

今回の4大大会側の声明は、「より多額の罰金や今後のグランドスラムへの出場停止」を警告した5月30日の強い言い回しとは明らかに異なるものだった。

「選手のウェルビーイング(健康で幸せな、良好な状態にあること)は常にグランドスラムの優先事項だが、WTA(女子テニス協会)、ATP(男子プロテニス協会)、ITF(国際テニス連盟)と共に、さらなる措置を通じてメンタルヘルスとウェルビーイングを推進するつもりだ」と、4大大会は付け加えた。

「我々はコミュニティーとして、メディアとの関連性も含め、大会での選手の体験を改善し続けていく」

「ランキングや地位に関係なく、公平な競争の場を維持するという観点から、変化を起こすべきだ。スポーツには、いかなる選手もほかの選手より不当な優位性を持つことがないようにするルールや規則が必要だ」

「我々は選手、ツアー、メディア、そしてテニス界全体と協力して、意義のある改善を図っていく」

大坂に他選手から支持集まる

大坂の全仏大会棄権は、同大会3日目にも大きな話題となった。多くの選手たちが試合後に大坂への支持を口にした。

世界ランキング元1位のセリーナ・ウィリアムズ(39、アメリカ)は、「なおみの気持ちがわかる。彼女をハグしてあげたい」と語った。

「私もこういった状況に置かれたことがある。私たちはそれぞれ性格が違う。人はそれぞれ違う。誰1人として同じ人はいない。(中略)みんな違う方法で物事に対処する。彼女(大坂)が望む方法で、彼女がベストだと思う方法で対処させてあげなくては」

そして、「彼女はできる限りのことをやっていると思う」と述べた。

世界ランキング25位のココ・ガウフ(17、アメリカ)は友人(大坂)が「これを乗り越えて」、「より良くなって、より強くなって」戻ってくることを願うと述べた。

「メンタルヘルスは私にとって大切な問題で、彼女の気持ちが分かる」

「ツアーとして私たちが、彼女や彼女のような状況に置かれている選手を助ける方法を見つけられればと思う」

「私にはただ手を差し伸べ、応援することしかできない」

フランスのガエル・モンフィスは大坂の「早期回復」を願っているとし、このスポーツには大坂が「コートに戻り、記者会見に戻り、幸せになって帰ってくる」ことが必要だと述べた。

「彼女にとって非常に厳しい状況だ。彼女に同情する。私もかなり苦労してきたので」と、新型コロナウイルスのパンデミックの最中、自分の気持ちをオープンに伝えてきたモンフィスは付け加えた。

「私たちが今経験していることは、テニス以外でも、誰にとっても大きな出来事だ」

グランドスラムで7度優勝したヴィーナス・ウィリアムズ(40、アメリカ)は、メディア対応は「誰にとっても絶対、簡単なことではない」と認めた。

「私自身の場合、私に質問をしてくる人が全員、私ほど上手にプレーできないし、これからもできないと知っている。だからそういう人たちが何を言っても、何を書いても、私の足元にもおよばない」

「私はそうやって考えることで対処してきた。ただ、人によって対処の仕方は違う」