マレーシア、中国軍機の「領空侵犯」を非難 南シナ海

File image of a Xian Y-20 heavy transport aircraft

画像提供, Getty Images

画像説明, マレーシアは中国軍の輸送機「Y-20」などが領空を侵犯したとしている

マレーシア政府は2日、ボルネオ島サラワク州沖の南シナ海の領空に中国軍の輸送機16機が侵入したとして、駐マレーシア中国大使を召喚する方針を示した。

侵入が発生したとされるのは5月31日。マレーシア空軍は南シナ海上での「あやしい」活動を感知し、戦闘機をスクランブル(緊急発進)させた。

マレーシア外務省はこの侵犯を「国家安全保障に対する深刻な脅威」だとしている。

一方の中国は、軍機は国際法に基づいて飛行していたと述べた。

中国は南シナ海ほぼ全域の領有権を主張しているが、マレーシアやフィリピン、ブルネイ、台湾、ヴェトナムはこれに異議を唱えている。領有権をめぐる争いは長年続いているが、近年になって緊張が高まっている。

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マレーシア空軍によると、中国軍機は「陣形を組んで」8200メートルの上空を飛行。サラワク州沖110キロメートルのところまで近づいてきたという。この軍機と連絡を試みようとしたものの、反応がなかったという。

その後、空軍は「目視での確認」を行うため、ルブアン空軍基地から戦闘機を緊急発進させた。

ヒシャムディン・​フセイン外相は、中国軍機はマレーシアの「海域」に入ってきたとして、中国政府に苦情を申し入れる予定だと述べた。

また、駐マレーシア中国大使を召喚し、「マレーシアの領空と主権を侵害した」理由を説明してもらうと話した。

「マレーシアの立場は明確だ。どんな国と友好的な外交関係を結んでも、わが国の国家安全保障について妥協することはない」

一方、在マレーシア中国大使館はこの事案について、軍機は「関連空域を通過する自由」を行使していただけだと述べた。

大使館の報道官は、「中国軍機は訓練で国際法を順守しており、他国の領空には入っていない」と説明。

「中国とマレーシアは友好的な隣国であり、今後も地域の平和と安定を維持するために友好的な協議を続けたいと考えている」と話した。

「九段線」

南シナ海では、人の住んでいないパラセル諸島(西沙諸島)とスプラトリー諸島(南沙諸島)とその周辺海域の領有権をめぐり、中国と各国が争っている。

中国はこの海域を「九段線」と呼び、人工島の建設やパトロールなどで領有権の主張を強化している。また、この海域での軍の存在感を高めている半面、その目的な平和的なものだとの態度を崩さずにいる。

今年3月には、南シナ海のフィリピン領海に約220隻の中国の漁船が集結し、フィリピンが主権を侵害されたと申し立てる事案があった。

フィリピン政府は、漁船は漁をしているようには見えず、中国の海上民兵が乗船していると主張。中国はこの苦情をほぼ無視している。

South China Sea
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