カナダ、極右プラウド・ボーイズをテロ組織に指定 米議会襲撃で「重要な役割」

画像提供, Reuters
カナダ政府は2日、極右勢力「プラウド・ボーイズ」をテロ組織に指定した。ビル・ブレア公安相は、1月6日に米議事堂が襲撃された事件で、プラウド・ボーイズが「重要な役割」を果たしたためと説明した。
プラウド・ボーイズをテロ組織に指定したのは、カナダが初めて。
これにより、カナダ国内のプラウド・ボーイズの資産が凍結されるほか、メンバーが暴力行為におよんだ場合はテロ罪で起訴される可能性がある。
プラウド・ボーイズは、極右で移民排斥を掲げる男性のみの団体。2016年にカナダとイギリスの二重国籍を持つ極右活動家ギャヴィン・マキネス氏が2016年に立ち上げたもので、これまでにもさまざまな政治的衝突で暴力に関わってきた。
同団体は、ドナルド・トランプ前大統領の発言を支持しているほか、リバタリアン思想(完全自由主義)や伝統的な男女の役割分担を推奨している。
トランプ氏は昨年10月、大統領選のテレビ討論でプラウド・ボーイズに言及。同団体についての質問に答える形で、「引き下がって、待機するように」と呼びかけた。
プラウド・ボーイズはこの発言を大統領からの指示と受け取ったが、トランプ氏はその後、言及を避けている。
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カナダによるテロ組織指定の1週間前には、米国土安全保障省が、大統領選の結果に不満を持つ過激派による国内テロの「脅威が高まっている」と警告を発している。
また、カナダによる発表の数時間前にも、米司法省がプラウド・ボーイズのシアトル支部のトップを訴追したと発表した。ルフィオ・パンマンの名前で知られるイーサン・ノーディーン容疑者(30)は、議会襲撃に関わった疑惑がもたれている。この件で訴追されたプラウド・ボーイズ関係者は8人に上る。
カナダのブレア公安相はこの日、「イデオロギーを動機とする暴力的な過激思想による脅威が高まっている」と説明。一方、プラウド・ボーイズの支部がカナダにどれくらい存在しているのかは明言しなかった。
同国のプラウド・ボーイズはこれまで、アメリカとは違うもので、組織化されていないと考えられてきた。しかし今回の政府の決定により、脅威の度合いが高まっていることがうかがえる。
ブレア氏によると、この決定は「新たな情報群」に基づいたものだという。
「2018年以降、そしてここ数カ月、この団体が暴力に向かっているのを確認している」
この傾向は米大統領選以降も続いているという。
別の極右団体もテロ組織に
ブレア氏は、カナダ国内で発生した極右や過激思想による襲撃事件についても言及。カナダでは先週、ケベック州のモスク(イスラム教礼拝堂)で6人が亡くなった銃撃事件から4周年を迎えている。
アメリカとカナダの間には現在、新型コロナウイルス対策として厳しい渡航制限が敷かれているが、これまでに少なくとも2人のカナダ人が、米議会襲撃に参加したことが報道などで明らかになっている。また、カナダの国旗を持った暴徒の姿も、写真や動画などに映っている。
カナダ政府は今回、プラウド・ボーイズに加え、アトムワッフェン・ディビジョンとザ・ベースの2極右団体、そしてイスラム国やアルカイダの関連組織をテロ組織に認定した。
これまでに、白人至上主義やネオ・ナチの6団体がカナダでテロ組織に指定されている。2018年以前は、こうした組織はテロの脅威とは見なされていなかった。








