日本の宇宙船はやぶさ2、「ダイヤモンド型」小惑星に到着
ポール・リンコン BBCニュースウェブサイト科学担当編集委員

画像提供, Jaxa et al.
日本の宇宙船「はやぶさ2」が27日、目的地の小惑星「りゅうぐう」に到着した。ダイヤモンドやこまの形に似ていると言われるこの小惑星への到着には、2014年12月にあった種子島宇宙センターからの打ち上げから3年半を要した。
はやぶさ2は、小惑星の物質に接近して観察したり、採取した岩石や土をりゅうぐうから地球へ持ち帰ったりするのが任務。
爆薬を使ってりゅうぐう内部に発射体を打ち込み、変質していない試料を地中から掘り出すことも試みる。
はやぶさ2のミッションマネージャー、吉川真博士は、宇宙船が目的地に到着したことを受けて、今後の計画について話した。
吉川博士は私に、「まず、惑星表面の地形を非常にていねいに調べる。それから、どこに着陸するかを決める。着陸して地表の物質の取得を目指す」と語った。
「インパクター」と呼ばれる銅製の発射体は宇宙船から分離され、小惑星の地表に下ろされる。はやぶさ2が邪魔にならない場所へ安全に移動したら、つけられた爆薬が爆発し、発射体を地中に押し込む。
「りゅうぐうの表面に小さなクレーターを作り出すインパクターを我々は持っている。おそらく来年の春、我々はクレーターの作成に挑戦する(中略)それから、はやぶさ2は地中の物質を収集するため、クレーターへの到達を試みる」
「ただ、これは非常に大きな挑戦だ」

画像提供, JAXA / Akihiro Ikeshita

なぜこの話が重要なのか
科学者は、我々が属する宇宙の区域、太陽系の起源と進化への洞察を深めるため、小惑星を調査している。
小惑星はもともと、46億年前に太陽系を形成した物質の残骸だ。
また、地球上の生命の成り立ちに重要だった可能性がある化合物を含んでいるかもしれないと考えられている。
化合物には水や(炭素が豊富な)有機化合物、貴金属が含まれる。これらが残っていることは、いくつかの企業を小惑星採掘の実行可能性検証に駆り立てている。


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日本の宇宙科学研究所(ISAS)で准教授を務める吉川博士は、りゅうぐうの形は予想外だったと述べた。
吉川氏によると、このように一般的な形をした小惑星は高速回転し、3時間から4時間毎に1度自転を終える。りゅうぐうの回転周期は相対的に長く、約7.5時間という。
「我々の計画に参加する多くの科学者が、過去にはりゅうぐうの回転周期は非常に短く、つまりとても高速で回転していたが、その周期が遅くなってきたのだと考えている。なぜりゅうぐうの回転が遅くなったのかはわからないが、とても面白いテーマだ」と吉川氏はBBCニュースに語った。
はやぶさ2は約1年半をかけて直径900メートルほどのりゅうぐうを調査する。りゅうぐうは地球から約2億9000万キロ離れている。
調査期間中、はやぶさ2はいくつかの着陸機を地表に送り出す予定だ。中には小型ローバー(惑星探査機)や、マスコットと呼ばれるドイツが作った調査機器も含まれる。

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りゅうぐうは、相対的に初期にできたと考えられるC型小惑星に属する。これは、有機鉱物や含水鉱物(水と結びついている鉱物)に富んでいる可能性を意味する。りゅうぐうが何から出来ているかを調べると、地球上の生命の起源に寄与した分子混合物に関する洞察を得られる可能性がある。
りゅうぐうの地表は風化している可能性が高い。宇宙空間の厳しい環境に長年さらされ変質したのだ。はやぶさ2計画の科学者が、できるだけ変質していない試料を得るために地面を掘り下げようとするのはそのためだ。
搭載されたライダー(光による検地と測距)機器は、着陸場所への移動、着陸準備、着陸のための航法センサーとして部分的に利用される。物体2つの間にある変わりやすい距離を測るため、目的物をパルスに変調したレーザー光で照らす。研究チームの科学者は26日、はやぶさ2とりゅうぐうの距離の初めての計測に、ライダーを使うことに成功した。
計画では、はやぶさ2は2019年12月にりゅうぐうを離れ、2020年に小惑星で集めた試料と共に地球に戻ってくることを目指す。
初代の探査機「はやぶさ」は2003年に打ち上げられ、2005年に小惑星「イトカワ」に到達した。
不運の連続に見舞われたものの、はやぶさは2010年、集めた少量の小惑星の物質とともに地球に帰還した。
米国の小惑星試料持ち帰り計画、オシリス・レックスは、8月に目的地である小惑星ベンヌに到達する予定だ。
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