EU首脳、カタルーニャ独立問題への不干渉を明言

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ドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は19日、スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立運動をめぐる情勢について、「懸念すべき」状況ではあるものの欧州連合(EU)が行動を起こすことはないと言明した。
トゥスク氏はジャンクロード・ユンケル欧州委員長との共同記者会見で、「いかなる調停もしくは国際的な取り組みや行動の余地はない」と話した。
カタルーニャ自治州はスペインからの独立を問う10月1日の住民投票で、独立賛成を支持。中央政府はこれを違法だとし、住民投票後に大規模なデモが起こった。
トゥスク氏の発言の数時間前には、スペイン政府がカタルーニャ州に直接統治を行う手続きを始めると発表した。
トゥスク氏は、「当然、多くの理由から(スペインの)マリアノ・ラホイ首相とは常に連絡を取り合っている」と語った。
「スペインの状況が懸念すべきなのは明らかだが、我々の立場は(中略)明確だ」
トゥスク氏はEU首脳会議前にこう発言したが、カタルーニャの問題は「我々の議題には入っていない」とも述べていた。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相やエマニュエル・マクロン仏大統領などほかのEU首脳らも、スペイン政府を支持する姿勢を見せた。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、今回の危機は、特定の分離独立運動のみ支持し、そのほかの分離独立運動は支持しないという西側の偽善を浮き彫りにしたと話した。
西側諸国は、コソボがロシアの同盟国セルビアから独立することは支持したが、カタルーニャやイラクのクルド人自治区の独立に対しては支持していないとプーチン氏は指摘した。
プーチン氏はさらに、多くの国が2014年のロシアによるウクライナのクリミア半島併合に反対したことを挙げた。その結果、ロシアに対して国際的な制裁が科されていた。
カタルーニャの現在の状況
スペイン政府は、21日に同国憲法155条を発動し、直接統治を行う手続きを始めると述べた。
だがカタルーニャ州首相は、中央政府が「抑圧」を続けるならば、州議会は正式に独立を宣言すると述べていた。
今回の動きを機に、10月1日の住民投票前後の大規模なデモに続き、さらに政情不安が起こるのではと危惧する人もいる。
スペインの最高裁判所は、住民投票は無効であり、スペインは不可分だと明記する同国憲法に違反していると宣言していた。

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独裁政権を敷いたフランシスコ・フランコ将軍の死から3年後の1978年に、民主制への移行に伴い施行された憲法の155条は、危機の際には中央政府による直接統治が可能になると定めているが、これまで発動されたことはなかった。
だが中央政府は21日に手続きを開始すると話す。
政府は声明で、「スペイン政府が憲法の秩序を回復するため、できることは何でもするというのは誰も疑わないところだ」と述べた。
今後の動き
政府は21日、カタルーニャ自治州から中央政府にさまざま権利を移管するための一連の具体的措置を決める予定。
現時点ではどのような措置が取られるかは不明だが、カタルーニャ州警察を掌握し、州議会を解散させ選挙を行う権利まで含まれる可能性がある。
バルセロナ大学の憲法専門家、ハビエル・アルボス教授は、「スペイン政府がどんな措置をとるかは、はっきり言って分からない」と話した。
「カタルーニャ州政府の権利がどのような影響を受けるか分からない」

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その後、ラホイ首相率いる保守派の国民党などが過半数を握るスペインの上院は、これらの措置を承認する承認する見通し。
専門家らによると、155条を発動しても、中央政府は自治権を完全には停止できず、これらの措置から逸脱することができないという。
カタルーニャ州首相はどうする?
カタルーニャのカルレス・プッチダモン州首相は10月1日の住民投票後、独立宣言に署名したが、中央政府との対話の可能性を残すため施行は延期していた。
プッチダモン氏は、「カタルーニャ州議会は、適切な時期だと判断すれば、正式な独立宣言の採決を行う」と述べ、延期は一時的である可能性を警告した。

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しかし、中央政府がカタルーニャ州の財政や警察を掌握、あるいは州議会を解散すれば、そのような採決は困難になる。
だが憲法では、自治権停止の手続きに時間的な制限を設けていない。










