SNSで誤情報与える動画や画像が多数拡散、ロシアのウクライナ攻撃
アリスター・コールマン&シャイアン・サルダリザデフ、BBCモニタリング

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ロシアが24日にウクライナに侵攻したことを受け、ソーシャルメディアには現地の様子だと触れ込む、偽物や誤情報を含む動画や写真が投稿されている。
BBCが調査した中には、ウクライナやその他の地域で起きた過去の紛争の映像や、軍事訓練の様子の画像などがあった。
ツイッターをはじめとするSNS各社は、こうした誤情報に対して事前に対策を講じているようだ。ファクトチェック(事実確認)担当者や研究者などから誤りだと指摘された動画のいくつかが、削除されている。
見せかけの戦闘機
攻撃が始まった当初、ウクライナ上空を飛ぶロシア戦闘機を映したという複数の動画が、ソーシャルメディアで広く拡散された。
すでに削除されたある動画では、戦闘機が都市部の上空を飛んでいる。現在のウクライナ危機の最中に撮影されたと示唆するコメントも付いていた。

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しかし精査したところ、この戦闘機はアメリカ製の「F-16(ファイティング・ファルコン)」だった。同型機はロシアやウクライナで使われたことはない。
2つ目の動画では、空襲警報が鳴る中、編隊を組んだ戦闘機や爆撃機が都市部の上空を飛んでいる。

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BBCが確認したところ、これが2020年の軍事パレードの練習風景の映像だということが明らかになった。空襲警報は、元々の音声の上にかぶせられたものだった。
こちらの動画は、ウクライナの東部ハルキウ(ハリコフ)に、ロシアのパラシュート部隊が降りていく様子だとして拡散された。

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この映像はツイッターで数十万回視聴されているが、実は2016年にロシア語のインターネットに登場していたものだった。
4つ目の映像は、ウクライナ上空でロシアの戦闘機が撃墜されたというもの。こちらもツイッターとユーチューブで広く拡散された。

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しかし、BBCの記者はこの映像を過去に見たことがあった。これはリビア国軍の戦闘機が2011年、ベンガジで反政府組織に撃墜された際の映像だ。
この動画の中で聞こえる歓声は、アラビア語を話している。
拡散されていた映像には、武力行使ではないものも含まれていた。
南東部マリウポリで撮られたという、アパートの後ろで爆発が起きている映像は、ウォロディミル・イエルチェンコ元駐米ウクライナ大使を含む多くの人がツイッターでシェアしていた。

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しかしこの動画は、1月29日に動画アプリTikTokに投稿されていた。さまざまな爆発映像を定期的に投稿しているアカウントのものだった。
さらにロシア語で書かれている説明によると、この爆発は軍事行動ではなく発電所への落雷が原因だという。
このほか、気温が摂氏ゼロ度まで下がる2月のマリウポリにしては、木々の葉が落ちていないと指摘するSNSユーザーもいた。
下の画像は、ハルキウの視聴者にロシア兵がロシア国旗を掲げているという説明と共に、SNSで拡散された。

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この説明の通り、写真にはハルキウの建物にロシア国旗を掲げる兵士が写っている。しかしこれは2014年の紛争時に撮影されたものだということが、画像の逆検索によって明らかになった。
最後に、中国語のツイッターアカウントが共有したこちらの動画には、「プーチン大王がウクライナを攻撃」という説明がついているが、2020年8月にレバノンのベイルートで起きた爆発事故の映像だということがすぐわかる。この爆発では200人以上が亡くなっている。

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どうしたら防げるか
刻々と事態が変わる中、誤情報を含む映像や画像がソーシャルメディアに投稿されることは避けられないだろう。
大抵は、これらを本物だと信じている人によって簡単に共有されている。
SNSユーザーは、「共有」ボタンを押す前に一度立ち止まり、本物に見えるか、信頼している情報源のものかを考えることで、偽情報の拡散を食い止めることができる。
ほとんどの報道機関は、映像や画像を使用する前に長い時間をかけて確認作業を行う。信頼できる発信源を複数確認することで、偽物が広く出回ることを防げるだろう。









