「エイメス議員は私の親友だった」 英議員刺殺事件、悲しみに暮れる地元選挙区
リー・ミルナー、ドーン・ガーバー、BBCニュース(リー・オン・シー)

画像提供, Getty Images
英東部エセックス州で15日、地元選出の与党・保守党議員、サー・デイヴィッド・エイメス(69)が、男に刺されて死亡した。地元リー・オン・シーの住民は、涙に声を詰まらせながら、サー・デイヴィッドの人柄や功績について語った。
地元の保守党員、ロフィーク・アリさんは、サー・デイヴィッドは世界一の親友だったと話した。
「もう長年の知り合いで、彼は誰にもとても優しかった。デイヴィッドのことは忘れられない」

エイメス議員は事件当時、選挙区内にあるベルフェアーズ・メソジスト教会で、有権者との対話会を開いていた。エセックスでは40年近く、リー・オン・シーでは1997年から議員を務めていた。
イギリスでは下院議員がそれぞれの選挙区で、「surgery」と呼ばれる有権者との対話の場を設けるのが通例。予約なしで会場に入れる場合も多い。
地元警察は、この教会で議員を繰り返し刺して死亡させたとして、25歳男性を殺人容疑で逮捕した。また、犯行に使われたとされる刃物も押収している。
サー・デイヴィッドが地元の教会で刺殺されたというニュースは、たちまち近隣に広がった。日頃は静かな住宅街に記者や人々が集まり、追悼の花束をささげた。
警察は教会周辺を封鎖し、通りには警察車両が並んでいる。街は静かで厳粛な雰囲気に包まれている。
これほど予想外の衝撃的な出来事が地元の、しかも教会で起きてしまったことに、誰もがショックを受けている。
しかし何よりも、常に地元の住民の話を聞き、住民を助け、コミュニティーの一員として努力を重ねたサー・デイヴィッドについて、住民は口々に話をしている。
数時間前に起きた出来事に戸惑いながらも、人々は地元議員としてのサー・デイヴィッドの功績に敬意を表そうと、追悼に訪れている。そして心痛の中で、議員がいかに優しい人物だったかを強調した。

現場に花束をささげに来たメラニー・ハリスさんは、「ささやかながら、気持ちを伝えたかった」と話した。
ハリスさんが花束と共に置いたカードにはこう書かれている。
「世の中は一体どうなってしまったの? 人当たりが良く、機知に富んだ優しい人の魂が無意味にも奪われてしまった。そんな仕打ちを受けるべきではない人だったのに。あなたと話すのはいつも楽しかった。政治家への信頼を取り戻させてくれてありがとう」

モハメド・イマーニさんも、サー・デイヴィッドの死に「ショックを受けた」と語る1人だ。
イマーニさんはイランからの避難民が改革を求める「全国イラン・レジスタンス協会」の一員。サー・デイヴィッドは協会の「素晴らしい友人」であり、「人権のために闘ってくれる闘士」だったと話した。
サー・デイヴィッドとは議会で数回会ったことがあるほか、フランスやアルバニアでの国際会議へ同行したこともあったという。
「彼との思い出がたくさんある。いつも笑ってジョークを飛ばしていた」
「とても優しい人物、すばらしい人物だった」
スティーヴン・エイレン町議会議員は、「彼は物事に関わろうとする、きちんとした議員だった」と振り返った。
「こんなことが起きて、何を言ったらいいのか」
24歳のアリシャ・コダバッカスさんは、「この辺りは、こんなことが起きるような場所じゃないのに。静かで良い地域なのに。教会が事件現場になってしまった。通りの先には学校もあるのに」と話した。
「全く青天の霹靂(へきれき)で、みんながショックを受けているし、こんなことがあってはならない」

サー・デイヴィッドと10年以上働いてきたサウスエンドのケヴィン・バック町議会議員(保守党)は、「ショックで呆然としている」と語った。
「今朝まで一緒にいたのに、今こんなことになっていて、信じられない」
「彼は傑出した人物だったからこそ、傑出した議員だった。優しく、思いやりがあって、面倒見のいい人だった」

地元教区のケヴィン・ヘイル司祭は、コミュニティーは「完全にショックを受けている」、「信じられない気持ちだ」と述べた。
「サー・デイヴィッドは私たちの隣人であり、教区民の良い友人だった。この地域によく来ていたし、顔なじみだった。コミュニティーのあらゆることを強く支援していた」
「みんな完全にショックを受けている。彼の妻子に心を寄せ、祈りをささげている」
近隣のキャンヴィー・アイランドの町議会議員を51年務め、サー・デイヴィッドを支援してきたレイ・ハワード氏は、非常に動揺しながら事件について語った。
「彼は閣僚になりたいとか、高い地位に就きたいと思っていなかった。ただ、地元選挙区に尽くす良い議員でありたいという考えだった。なんて素晴らしい人物、素晴らしい議員だったのだろう」











