【米中間選挙】若者が存在感示す、候補者も有権者も

Alexandria Ocasio-Cortez speaks at her mid-term election night party in New York City

画像提供, Reuters

画像説明, 史上最年少の女性議員となったレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏

米政界でミレニアル世代が頭角を現している。

6日に投開票が行われた中間選挙では、民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(29)が史上最年少の女性議員の1人となった。

ニューヨーク州14区で下院議員に選出されたオカシオ=コルテス氏の勝利は、若者たちが政治の世界でミレニアル世代ならではのスタイルとイメージを築き始めていることの表れだ。

今回初めて中間選挙で投票したという有権者は、全体の16%に上った。こうした若い有権者は、インターネットで自分たちの政治活動を声高に明言することをいとわない。

一方で、フロリダ州やテキサス州、ジョージア州といった激戦州では、民主党が敗北、もしくは苦戦した。つまり、若者票は伝統的に左派に集まりがちだが、それでも激戦州では決定力を持たなかったことになる。

選挙当日、インスタグラムのストーリー機能は、「投票完了」のシールを貼った若者や投票所へデモ行進する中高生、学校での銃乱射事件を生き延びた生徒が「戦略室」から電話で投票を呼びかける様子などで溢れかえった。

テネシー州に住むサラさんは、「初めての投票!」と書き、「投票しました」シールを誇らしげに指先に貼った写真をツイッターに投稿した。

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若者の投票率はまだ公式に発表されていないが、ABCの出口調査によると、期日前投票をした18~29歳の投票数は2014年の前回中間選挙から188%増加した。

今回の選挙では、各地で多様な人種や経歴の候補が勝利した。ソーシャルメディアでは大勢がこの成果を喜ぶと共に、2020年大統領選を見据えている。

選挙について今回初めて声を上げたことで注目された歌手のテイラー・スウィフトさんも、インスタグラムの1億2200万人のフォロワーに向けてストーリー機能で有権者を祝福し、ネオンサインのフォントで「ありがとう」と伝えた。

テキサス州のザナレ・アントワンさんも、初めて投票した同僚と一緒に写真を撮ってツイートした。

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18歳の活動家ケニドラ・ウッズさんはツイッターに、「やったーーーついに今日初めて投票した!!! 力をもらった気分!!! 友人には政治に『のめりこみ過ぎ』ってからかわれたけど報われた!! 自分のため、みんなのために投票した。人類に希望を持っているから」と投稿した。

フロリダ州で起きた高校銃乱射事件の生存者たちが設立した銃規制活動団体「March for Our Lives(私たちの命のための行進)」は、15歳の生徒たちが投票を呼びかける様子をツイート。「変化を作るのに年齢制限はない!」と書いた。

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積極的な有権者は常に投票に行くが、多くの若者が今回、自分たちには投票するべき理由があると感じていたようだ。

米心理学協会が発表した報告書によると、高いストレス値による精神衛生の危機を最も抱えているのは15~21歳のいわゆるZ世代だという。中間選挙はこうした状況の中で行われた。

銃による暴力、政治紛争、移民家族の強制別離といった問題がストレスの原因になっている。また、Z世代の75%が、学校での銃乱射事件が大きなストレス要因になっていると答えた。

ヒューストン・クロニクル紙によると、テキサス州では大学生500人が投票妨害疑惑に抗議して投票所でデモ行進を行った。

10月にアトランティック誌でZ世代の投票率上昇を予測したハーバード大学の世論調査員は、「米政界の大きな出来事によって、若者は政治について考えをあらためている」と説明する。

連邦議会選や知事選などと並行して行われた州法に関する住民投票でも、ミレニアル世代が注目する議案の多くが成立し、若者票が影響を与えたことを示唆している。

ミシガン州では、娯楽目的での大麻使用を合法化する州法案が成立した。ピュー研究所の調査によると、この動きは米全土のZ世代の74%が支持している。

シアトル・タイムズは、ワシントン州の投票で銃規制法案が改正され、米国で最も厳しいものとなると伝えた。

コロラド州では、同性愛を公表している知事が初めて誕生。LGBT(性的指向の少数者)にとっても中間選挙は歴史的瞬間となった。

その一方、テキサス州やフロリダ州、ジョージア州でもメディアによって若い有権者の勢いが伝えられていたものの、共和党候補が善戦し、民主党の期待はかなわなかった。

35歳未満の米国人は通常、リベラルが多いとされる。そのため、激戦州での保守派の勝利は、若者票による変化の波が予想ほどではなかったことを示す。

しかし、CNNコメンテーターのバン・ジョーンズ弁護士が「虹色の波」と表現したように、若者や女性、LGBT、非白人の候補が全国的な勝利を収めたことで、民主・共和両党の有権者に対するアプローチの仕方は変わるだろう。

(ジョージーナ・ラナード、UGC・ソーシャルニュース)