トランプ氏、ヴェネズエラ暫定大統領に警告 米国に従わなければマドゥロ氏と同じ運命と

画像提供, Reuters
アメリカのドナルド・トランプ大統領は4日、前日に攻撃した南米ヴェネズエラで暫定大統領となったデルシー・ロドリゲス副大統領について、アメリカの指示に従わなければ、同国が拘束したニコラス・マドゥロ大統領と同様の運命をたどることになるだろうと述べた。一方、マルコ・ルビオ国務長官は同日、アメリカはヴェネズエラと戦争状態にはないと米メディアで述べた。米ニューヨークに移送されたマドゥロ氏と妻のシリア・フロレス氏は、5日昼(日本時間6日未明)に裁判所に出廷する予定。
トランプ氏は、フロリダ州から首都ワシントンに戻る大統領専用機内で記者団の取材に応じた。
今回のヴェネズエラ攻撃の目的が石油なのか体制転換なのかとの質問には、「地球上の平和だ」と答えた。
トランプ氏はまた、19世紀初頭の米外交政策で、西半球は欧州列強の影響から自由であるべきと主張した「モンロー主義」に言及。「モンロー主義は打ち出された当時は非常に重要だったが、後の大統領の多くはその本質を見失ってしまった」、「私は違った、見失わなかった」と述べた。
ヴェネズエラの隣国コロンビアの状況について問われると、トランプ氏は、「コロンビアも非常に病んでいる。コカインを作りアメリカに売りさばくのが好きな病んだ男が統治している」と述べた。これは同国のグスタボ・ペトロ大統領を指した発言とみられる。
そのうえでトランプ氏は、「彼は長くは続かないだろう」と発言。コロンビアの「コカイン工場」に対する米軍の作戦の可能性について問われると、「いい案だ」と答えた。
トランプ氏はこの日、これに先立って米誌アトランティックの取材に応じた。その中で、ヴェネズエラの暫定大統領となったデルシー・ロドリゲス副大統領に対し、「正しい行動を取らなければ、非常に大きな代償を払うことになる」と警告した。
トランプ氏は、ロドリゲス氏が正しい行動を取らなかった場合の代償は、「おそらくマドゥロよりも大きいだろう」と発言。
ベネズエラの将来については、「それをどう呼ぼうと、体制転換は現状よりましだ。これ以上悪くなりようがない」と話した。
トランプ氏は3日、ヴェネズエラで「安全かつ適切で慎重な政権移行」が可能になるまで、同国をアメリカが「運営」すると宣言した。
また、米石油会社がヴェネズエラに進出し、インフラを修復して「同国のために収益を上げ始める」と約束した。
こうした主張にもかかわらず、ヴェネズエラではマドゥロ氏と同盟関係にある人々が依然、権力を掌握している。
「ヴェネズエラとの戦争ではない」
ルビオ氏は4日、米テレビ各局の朝の番組に相次いで登場した。
アメリカによる攻撃については「ヴェネズエラとの戦争ではない」と説明。アメリカは、ヴェネズエラを次の「行動」で判断すると述べ、アメリカの国益を守るために「影響力行使の複数の手段」を維持すると付け加えた
ABCの番組では、今回の作戦の実施前に、連邦議会の承認は不要だったと主張。「これは侵攻ではなかったからだ」と述べた。
ルビオ氏はまた、マドゥロ氏がいなくなったことが「より良いヴェネズエラ」につながることを望んでいると発言。同時に、「最も重要な目的はアメリカだ」と付け加えた。
ヴェネズエラの暫定大統領となったロドリゲス副大統領について、正統性のある大統領と考えているかと問われると、アメリカはロドリゲス氏が率いる政権に正統性があるとは考えていないとルビオ氏は述べた。
アメリカがヴェネズエラを運営していくのかと問われると、アメリカはヴェネズエラを前進させるための「方向性を運営していく」とルビオ氏は答えた。
マドゥロ政権の高官らを拘束しなかったのかはなぜかとの質問には、「とても単純だ」と返答。「乗り込んで一気にすべて完了というわけにはいかない」とし、「最優先の対象」を確保したと強調した。
複数の市民を殺害とヴェネズエラ国防相
ヴェネズエラでは、ロドリゲス暫定大統領が現地時間5日午前8時にカラカスで大統領就任宣誓を行う。
ロドリゲス氏は、マドゥロ氏の拘束を誘拐だと非難し、ヴェネズエラがアメリカの植民地になることはないと強調している。
ヴラディミル・パドリノ国防相は4日、マドゥロ大統領夫妻に対する「卑劣な誘拐」をヴェネズエラ軍は「断固として認めない」とテレビで表明。ロドリゲス副大統領が暫定大統領を務めることを、軍が支持していると述べた。
また、アメリカの攻撃では、「大統領警護チームの大半、兵士たち、罪のない市民らに対する冷酷な殺害」があったと述べた。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、ヴェネズエラの首都カラカスでは集合住宅が攻撃され、少なくとも40人が死亡した。民間人なのか軍関係者なのかは不明。BBCはこうした報道を独自に確認できていない。
キューバ政府は、米軍がマドゥロ夫妻を襲撃・拘束した際に「勇敢なキューバ人戦闘員」32人が死亡したと発表した。社会主義国のキューバは長年、ヴェネズエラと同盟関係にあり、今回の事態を受け、2日間の服喪を宣言した。









