ハマスが新たに1人の遺体を返還、イスラエルが発表

画像提供, Reuters
イスラエル軍は20日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが、新たにイスラエル人の人質だとする1人の遺体を返還したと発表した。
遺体はガザで、赤十字を介してイスラエル軍に引き渡され、イスラエルに移送された。今後、正式な身元確認が進められるという。
アメリカが仲介した停戦合意の第1段階が10日に発効し、ハマスはこの日までに人質の生存者20人全員と、死者28人のうちの12人の遺体をイスラエルに返還していた。
イスラエルでは、ハマスが死亡した人質全員の遺体を返還していないことに怒りの声が上がっている。イスラエル軍は、ハマスには「合意を順守し、すべての人質を返還するために必要な措置を講じる義務がある」としている。
ハマスは、ガザのがれきの下にある遺体を見つけ出すのは困難だと説明している。
停戦合意の第1段階にもとづき、イスラエルは、収監していたパレスチナ人囚人250人と、拘束していたガザ出身者1718人を解放。また、返還されたイスラエル人の人質の遺体1体につきパレスチナ人の遺体15体を返還している。
また、ガザへの人道支援の増加や、ガザでのイスラエル軍の部分的な撤退、戦闘の停止も実現した。しかし19日には、イスラエルとハマスの双方が停戦合意に違反したと互いを非難。暴力行為が再燃し、死者が出る事態となった。
イスラエルは、ガザ南部ラファで19日、テロ・インフラの解体を進めていた部隊がハマスの攻撃を受け、兵士2人が死亡したと発表。ガザ全域で数十のハマス関連の目標を空爆したとした。ハマスは、イスラエルが支配するラファ地域での衝突は「認識していない」としている。
地元の複数病院によると、この空爆で少なくとも45人のパレスチナ人が殺害された。
19日午後9時を過ぎて、イスラエル軍は「停戦の再実施を開始した」と発表。停戦合意を守ると表明した。一方で、「いかなる違反にも断固対応する」と付け加えた。ハマスは先に、停戦を順守していると主張し、イスラエルが違反したと非難していた。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は19日、停戦はまだ続いているとの見方を示した。停戦合意の維持には、アメリカの圧力が必要な状況となっている。そのため、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東担当特使と、トランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏がイスラエルに入った。
イスラエル国防軍(IDF)は、ガザの約半分を掌握している。現在は、ガザ北部、東部、南部で設定された「イエローライン」と呼ばれる撤退ラインまで部分的に撤退している。
パレスチナ人はその撤退ラインの正確な位置をめぐり混乱している。IDFはブルドーザー数台が撤退ラインを示す黄色のブロックを設置する様子を映した動画を公開した。
ハマスが運営するガザ保健省は20日、ガザ市東部でイスラエルの銃撃があり、3人が殺害されたと発表した。IDFは、同市シェジャイヤ地区でイエローラインを越えた「複数のテロリスト」に向けて部隊が発砲したと説明した。
IDFは、ハマス率いる武装集団が2023年10月7日にイスラエル南部を襲撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取ったことへの対抗として、ガザで軍事作戦を開始した。
それ以来、ガザではイスラエルの攻撃によって少なくとも6万8216人が殺害されたと、ハマス運営のガザ保健当局は発表している。この人数は、国連などが信頼できるとしている。











