トランプ氏、米ロとウクライナの3カ国で戦争について協議すると発表

ウクライナ中部ザヴァリャで、戦死したウクライナ人を追悼する人

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は13日、ウクライナでの戦争をどう終わらせるか、アメリカ、ロシア、ウクライナの3カ国の当局者が、ドイツ・ミュンヘンで14日から開かれる安全保障会議の場で協議すると発表した。

トランプ氏は記者会見で、「ロシアはアメリカの関係者とそこにいることになる」、「ちなみにウクライナも招待されている。ただ、どの国から誰が出席するのかは正確にはわからない。それでも、ロシアとウクライナとアメリカから高官が出席することになる」と述べた。それ以上の詳細は説明しなかった。

一方、ロシアはコメントしておらず、BBCの取材にもすぐには応じていない。ロシアはドイツで毎年開かれているこの会議に公式出席はしない。

ウクライナの高官は、「ミュンヘンでロシア側との協議」は「予定されていない」とした。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の側近のドミトロ・リトヴィン氏は、同国代表団がそうした会合に出席する予定はないと述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アメリカのJ・D・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官とミュンヘンで会談する予定となっている。

ルビオ氏は13日夜、乗っていた飛行機が「機械的な問題」に見舞われ、米メリーランド州の空軍基地に引き返した。別の飛行機で移動する見通し。

動画説明, ルビオ米国務長官は飛行機の不具合で米軍基地に引き返し、飛行機を降りた

トランプ氏は前日の12日、まずロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、続けてウクライナのゼレンスキー大統領と別々に電話で協議した

トランプ氏は電話のあと、「素晴らしい」協議だったとし、「あの恐ろしい、非常に血なまぐさい戦争を終わりにする可能性が高い」と述べた。

一方で、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加わることは「現実的」ではないと発言。ウクライナとロシアの国境が、ロシアが侵攻する前の2014年の状態に戻ることも「まずない」とした。

これを受けゼレンスキー氏は、トランプ氏が自分より先にプーチン氏と話をしたのは「あまりうれしくはない」と表明。ウクライナの関与なしにアメリカとロシアが提案する和平協定には、ウクライナは同意しないとくぎを刺した

ゼレンスキー氏は、「そうしたものは、独立国として受け入れられない」と発言。優先すべきは「安全保障」だと強調し、アメリカの支援なしに、それは実現しないとした。

動画説明, ウクライナ戦争、トランプ氏の関与でどうなるのか 大混乱から何が生まれるのか

ヨーロッパでは、ウクライナとヨーロッパの将来について、米ロが独自の協定を結ぶのではないかとの懸念が広がっている。ゼレンスキー氏は、ヨーロッパの友好国も「交渉のテーブルにつく必要がある」との考えを示している。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は英紙フィナンシャル・タイムズで、ウクライナを代表してロシアと交渉できるのはゼレンスキー氏だけだと主張。「屈服という和平」は「すべての人にとって悪い事態」になると警告した。

欧州連合(EU)のカヤ・カラス外務・安全保障政策上級代表も、「早急な解決は汚れた取引だ」と述べている。

ゼレンスキー氏は、「そうしたものは、独立国として受け入れられない」と発言。優先すべきは「安全保障」だと強調し、アメリカの支援なしに、それは実現しないとした。

ウクライナにおけるロシア軍の占領範囲

ウクライナでは2014年、親ロシア派の大統領が退陣に追い込まれた。それを受けてロシアは、黒海のクリミア半島を併合。さらにウクライナ東部で、親ロシア派の分離主義者を支援した。

2022年2月、ロシアはウクライナに侵攻し、全面戦争に突入した。

首都キーウ掌握というロシアの作戦は阻止されたが、ロシア軍はウクライナ東部と南部の約5分の1の領土を占領し、ウクライナ各地に空爆を行っている。

一方のウクライナ軍は、ドローン(無人機)攻撃や、ロシア西部クルスク州に越境攻撃を仕掛け、対抗している。

ロシアとウクライナはいずれも、秘密保持を徹底しているため、死傷者数を正確に把握するのは難しいが、これまでに数十万人の兵士や民間人が死傷したと推定されている。