気候変動対策で「化石燃料企業の広告を禁止すべき」=国連事務総長

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マット・マグラス環境担当編集委員
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は5日、気候変動対策の一環として、化石燃料業界の広告掲載を禁止するべきだと発言した。
グテーレス氏は石油、石炭、ガス企業を「気候カオスのゴッドファーザー」と呼び、何十年にもわたって真実をねじ曲げ、人々をあざむいてきたと述べた。
その上で、健康への脅威になるとしてたばこの広告が禁じられているように、化石燃料についても同様の措置が取られるべきだと主張した。
最近では、温暖化のスピードが増していること、そして世界的な暑さの記録が更新され続けていることが、新たな研究によって明らかになっている。
世界気象機関(WMO)は5日、早ければ今年にも、昨年の記録的な暑さが更新される可能性があると発表した。
これとは別に、約50人の著名科学者からなるグループは、人間によって引き起こされた地球温暖化が加速し続けていると報告した。
この報告によると、温暖化ガスの大量排出が続いているため、世界の気温は長期的には、年平均で工業発達以前に比べて1.5度以上、上昇することになるという。

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グテーレス事務総長は今回、こうした結果を回避するため、気候変動政策をより迅速に行うとともに、化石燃料産業を「取り締まる」ことを求めた。
「私たちは、何十年もの間、前進を妨害することに執拗な熱意を示してきた化石燃料業界と、直接対決しなければならない」
グテーレス氏は、石油、石炭、ガス産業の多くは、ロビー活動や法的措置、大規模な広告キャンペーンによって、「恥知らずにもグリーンウォッシュ(エコフレンドリーや持続可能性などをうたいながら、実際にはそうではない慣行)」を行ってきたと指摘した。
「私はすべての国に対し、化石燃料企業からの広告を禁止するよう求める」
「そして、ニュースメディアやテクノロジー企業には、化石燃料の広告を取り上げるのをやめるよう求める」
グテーレス氏はまた、気温上昇の影響は、最近のアジアにおける致命的な熱波や南米での洪水などですでに顕在化しており、一刻を争うことだと強調した。
これに対し、化石燃料団体の代表は、排出量削減に全力を尽くしていると述べた。
アメリカ石油財団のコミュニケーション担当上級副社長、メーガン・ブルームグレン氏は、「我々の業界は、気候変動問題に取り組みながら、手頃な価格で信頼できるエネルギーを生産し続けることに注力している。これに反する疑惑はいかなるものでも虚偽だ」と述べた。
一方、イギリスの広告基準協議会(ASA)は以前、誤解を招くような環境表示の取り締まりを約束している。欧州連合(EU)も先に、この問題に取り組むための新法を発表した。

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グテーレス氏の呼びかけは、化石燃料の広告を全面的に禁止するというものだが、これには法的根拠がなく、国連にはこの考えを実施する手段もない。
しかし、石炭、石油、ガス会社からのスポンサーシップや広告に反対してきた活動家らには追い風となるだろう。
イギリスのヘイ書籍フェスティバルとエディンバラ書籍フェスティバルは最近、化石燃料企業とのつながりをめぐる論争を受け、投資会社ベイリー・ギフォードからのスポンサーシップを停止した。
また、スポーツは化石燃料の広告やスポンサーシップが最も多い分野の一つであり、特にサッカーは石油・ガス企業と長年の関係性がある。
健康に対する懸念から、サッカー界では過去にアルコールやたばこのスポンサーシップが禁止されたことがある。環境活動家らは、今回のグテーレス氏の支持を受け、化石燃料が同じ道をたどることを望んでいるだろう。












