環境にやさしいと宣伝、でも実は……「グリーンウォッシング」を見抜く7つの知識

ベス・ティミンズ、BBCニュースビジネス記者

Protesters in Glasgow with fake cleaning products branded as "greenwashing"

画像提供, PA Media

画像説明, 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開かれている英グラスゴーで、「グリーンウォッシング」を批判するデモ参加者

世界中の多くの人が環境にやさしい生活をしようとしている今、環境に考慮したブランドや企業を選びたいという人も増えている。

しかし、広告でエコフレンドリーや持続可能性などをうたいながら、実際にはそうではない製品や企業もある。

こうした事例は「グリーンウォッシング」と呼ばれ、環境志向の人々を惑わせている。

企業の広告手法が問われているが、消費者はどのようにグリーンウォッシングを見分ければよいのか。7つの注意点を紹介する。

1. 虚偽表示やあいまいな表現

Ryanair emissions advert

画像提供, Ryanair

画像説明, アイルランドの格安航空ライアンエアーが使った「欧州で最も排出量が少ない航空会社」という広告は使用が禁止された

イギリスの広告基準局(ASA)によると、環境に関する表示をめぐる苦情が最も多い。すでにいくつかの企業の広告が、使用禁止処分を受けている。

2019年には、アイルランドの格安航空ライアンエアーが十分な証拠を示さずに出した、「欧州で最も排出量が少ない航空会社」という広告を禁止。韓国の自動車大手ヒュンダイの「車が空気をきれいにする」というキャッチコピーも、誤解を与えるとして禁止された。

原材料について、「自然派」、「オーガニック」、「エコフレンドリー」とうたっている製品が、実際にはこうした原材料を一部しか使っていない例も、この部類に入る。

消費者権利の保護団体「ウィッチ?」のスー・デイヴィース代表は、消費者は一般的に、メーカーの主張を支持する権威ある二次情報を探すべきだと説明した。

「物事を大きくとらえるべきです。たとえば、使い捨てペットボトルについて環境に良いとの主張があったら、真面目に受け取るでしょうか?」

2. 「ナチュラル」なイメージ、「グリーン」なキャッチコピー

Green, bio, eco, natural signs

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画像説明, 「エコ」や「ナチュラル」といった言葉は、科学的な根拠なく使われていることが多い

「エコ」や「サステナブル」、「グリーン」といった言葉は、企業が環境に配慮していることを示すためによく使われている。しかし、その主張に科学的な基準を用いている企業はほとんどない。

2016年7月、HDSグループの「アメイジング・クレンザーズ」のウェブサイトでは製品を「100%エコフレンドリー」と銘打っていた。この主張について、証拠や説明が一切ないという苦情がASAに寄せられた。ASAは苦情の内容を認め、広告を取り下げるよう同社に指示した。

アルプロのアーモンドミルクも、環境に関する表示が誤解を招くとして広告が差し止められたことがある。同製品は「地球にやさしい」という標語でブランディングを行っていた。アルプロは、製品が植物性であることから、消費者はこの広告を環境負荷が低いという意味でとらえてくれると述べていた。

しかしASAは、アルプロが使っているアーモンドは環境への悪影響がある場所から調達されたものではないと理解しているとした一方、こうした表現は内容を明確にすべきだと結論付けた。

3. 情報隠匿

ファッションブランドでは、ある服について「持続可能な」布地から作っていると言いながら、それ以外の服は環境に有害だという場合もある。

たとえば、環境にやさしいとうたっているブランドでも、石炭火力発電による電力を使った海外の工場で一部製品を作るなど、サプライチェーンにおける排出を考慮に入れていない可能性がある。

他の産業も同様の問題を起こしている。ASAは2007年、石油大手シェルの「排出された二酸化炭素を植林に用いている」という広告について、実際には排出量のごく一部しか植林事業には使われていないと分かったため、使用を禁じた。

塗料メーカーのエドワード・バルマーも、「市場で最も環境に配慮した塗料」という触れ込みで製品を売っていたが、環境にやさしくない原材料が含まれている事実には触れておらず、ASAにウェブサイトの表示の変更を命令された。

4. 「カーボン・オフセット」にご注意

政府や企業、個人は、温室効果ガスを排出した分を別の方法で減らすことで、自身の排出量を調整することができる。こうした努力を「カーボン・オフセット」という。

しかし環境保護団体は、カーボン・オフセットは実際に排出量を削減するのではなく、むしろ問題をやぶの中に隠してしまっていると指摘する。

環境団体「ポジティブ・マネー」のデイヴィッド・バームス上級エコノミストは、カーボン・オフセットは、グリーンウォッシングの典型例だと述べている。

「カーボン・オフセットは詐欺だらけだ。企業は排出削減目標を達成したと言いながら、引き続き大気中に温室効果ガスを吐き出し続けることができる」

「カーボン・オフセットは、企業に無責任な排出を続けさせ、政府に目標を達成したと言わせるためのものだ」

5. 企業のオーナーを調べる

環境に大きな影響を与えている大企業や複合企業は、小さなブランドを買収することで、環境を重視し大企業の製品を避けている消費者に自分たちの製品を買わせようとしている。製品の環境負荷の全体像を知りたければ、その会社の最終的なオーナーが誰なのかを知ることが重要だ。

説明責任と信憑性(しんぴょうせい)が深刻な問題になっていると、英オックスフォード大学のロバート・エクルズ教授は指摘する。

また、企業の排出量は食品のカロリー表示のように、「誰もがそれに注目し、独立した手続きで証明され、消費者の決定に影響を与えるもの」になるべきだと述べた。

スウェーデン・ルンド大学のキンバリー・ニコラス教授は、企業にとって最も効果的な方法は、サプライチェーンの各部分で化石燃料の使用をやめることだと話す。

「消費者は、化石燃料を製造したり資金面で関わったりしている企業から、自分たちのお金を遠ざける必要がある。そうしなければ、どんな活動も無駄になる」

6. さまざまな「エコフレンドリー」製品

環境にとって有益な製品を販売しても、他の自社製品の環境への影響について情報を開示しない企業もあるだろう。

ヴィーガン食品を販売するクオルンは広告で、ある製品が炭素排出削減の証明書を取っていると宣伝した。しかしASAは、この広告では、主張されている炭素削減が何を基準に計測されたものなのか明確ではなく、消費者も根拠が分からないと指摘。この広告を禁止した。

消費者団体「ウィッチ?」のデイヴィース代表は、こうした透明性の欠如こそ、その企業が環境にプラスの影響を与えていないことを示す重要な指標だと述べた。

「製品やブランド、サービスの環境に関する情報にうまくアクセスできない場合、それは警告と受け止めるべきだ」

「何かを隠したい企業、良い情報を持っていない企業は、環境にまつわる信頼性を消費者がチェックするのを難しくしていることが多い」

Gousto delivery box

画像提供, Gousto

画像説明, 食品メーカー「グースト」は、「100%プラスチックフリーでリサイクル可能」な包装をしていると、虚偽の主張をしていたことが判明した

7. 製品やパッケージはリサイクルできる?

実際にはリサイクルが難しいプラスチック製品などにも、「リサイクル可能」と記載されている場合がある。

マクドナルドは2018年、使い捨てのプラスチックストローを廃止し、紙ストローを提供すると発表した。しかし翌年には、この紙ストローがリサイクルできないものだと判明し、グリーンウォッシングだと批判を浴びた。

ASAは2019年、ペット用品を扱うアンコル・ペット・プロダクツが「生分解される」と宣伝していた犬用エチケット袋が、実際には埋め立て処分場や焼却処分場で生分解できないものだったとして、この広告を禁止した。