ウクライナ、アメリカ・ロシアと三者協議へ 「焦点は領土問題」とゼレンスキー氏

黒いジャケットとシャツを着たゼレンスキー氏が、厳しい表情で前方を見ている

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画像説明, スイス・ダヴォスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会に出席した、ウクライナのゼレンスキー大統領(22日)

ポール・カービー 欧州デジタル編集長

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日、ウクライナ情勢をめぐるアメリカとロシアの代表団との三者協議を、23日と24日にアラブ首長国連邦(UAE)で行う見通しだと明らかにした。スイス・ダヴォスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会に合わせてドナルド・トランプ米大統領と会談した後、ゼレンスキー氏は記者団に語った。

外交活動が加速しているとみられる中、トランプ氏は22日にゼレンスキー氏と良い会談ができたと述べた。一方で、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ特使はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と協議するため、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏と共にモスクワへ向かった。

ウィトコフ氏は、ウクライナをめぐる合意について楽観的な見方を示している。

「我々は問題を一点に絞れたと思う。我々はその問題について議論を重ねてきた。つまり、解決可能ということだ」と、ウィトコフ氏はスイス・ダヴォスを離れる前に語った。

ウィトコフ氏は残りの争点について詳細は明かさなかったが、ゼレンスキー氏はその後、解決されていない問題はウクライナ東部の将来的な地位だと説明した。

ゼレンスキー氏は、UAEで予定されている協議にはアメリカとロシアも参加するとしたうえで、「ウクライナだけでなくロシアも妥協する用意が必要だ」と付け加えた。

「焦点は領土だ。これが、未解決の問題だ」と、ゼレンスキー氏はダヴォスで記者団に述べ、三者協議がウクライナとロシアの双方に「異なる選択肢」をもたらすかもしれないとした。

アメリカは、ウクライナ東部ドンバス地方の工業地帯を非武装化して「自由経済区」を設け、その見返りとしてウクライナの安全を保証する構想を提案している。

ウィトコフ氏は、「双方がこの問題の解決を望むなら、必ず解決できる」として、モスクワ訪問後はUAEの首都アブダビへ向かうと述べた。アブダビでは、軍事問題と経済的繁栄について作業部会が協議を進める予定だという。

ゼレンスキー氏は22日、ウクライナ和平をめぐる合意が成立した際に、アメリカがウクライナの安全を保証することで、トランプ氏と合意に達したとも述べた。詳細は明かさなかったが、合意文書に署名するにはまず米議会とウクライナ議会の承認が必要だとした。

イギリスとフランスが主導する「有志連合」がウクライナに部隊を派遣し、合意が履行されているか監視するよう取り組んでいるとしつつ、トランプ政権のバックストップ(防御策)も必要だとも、ゼレンスキー氏は強調した。「アメリカ抜きの安全の保証など存在しない」。

ゼレンスキー氏は先に行ったダヴォス会議での演説で、欧州の同盟国は、ロシアに対して行動を起こすという「政治的な意志」が欠けていると批判。

「欧州内での終わりなき論争や沈黙が、真の解決策を見出すために欧州が結束し、率直に発言することを妨げている」と、トランプ氏率いるアメリカと比較して述べた。

「トランプ大統領は自分自身のことが大好きだし、欧州が大好きだと言っている。だが、今のような欧州の声には耳を貸さないだろう」と、ゼレンスキー氏は述べた。

ゼレンスキー氏は、ロシアによるウクライナ・キーウの電力インフラ攻撃に対応するため、一度は渡航を取りやめたが、夜通しかけてダヴォスへ移動した。

ロシアの攻撃では、キーウの広範囲で暖房や水道、電力が停止した。ウクライナの人々が、ロシアが全面侵攻を開始してからの約4年間で最も厳しい冬を過ごしている中、数千棟のアパートでは暖房が復旧していない。

ゼレンスキー氏は先月、アメリカが提示した20項目の和平計画について、90%合意に達しているとしつつ、ドンバス地方をめぐるウクライナの立場は、ロシアとは異なると述べていた。

ウクライナは現在、東部ドネツク州の約25%を支配している。ゼレンスキー氏はアメリカによる和平計画の一環として、この支配地域から最大40キロの地点までウクライナ部隊が撤退し、「自由経済区」を設けることを提案している。ただし、ロシアが同様の措置を取ることが条件だ。

クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は22日、「ウクライナ問題や、そのほかの関連事項」に関する米特使との協議を継続するとした。ウィトコフ氏がウクライナをめぐる合意について楽観的な見方を示していることについては、同調するかは言及を避けた。

プーチン氏はドンバス地方全域の掌握を望んでいる。ロシア軍はこの1年間、ウクライナ東部でゆっくりと前進している。

ゼレンスキー氏は先月、ロシアが2022年3月に占拠したザポリッジャ原子力発電所の将来的な管理権も大きな争点だと述べていた。

同氏は23日から予定されている協議について、UAEが承知していることを願うと、冗談めかして語りつつ、協議の重要性を示すかのように、ウクライナ代表団に参加する最高幹部数名の名前を挙げた。

ウクライナのルステム・ウメロフ国家安全保障・国防会議書記、キリロ・ブダノフ大統領府長官、交渉担当のダヴィド・アラハミア氏はすでに、ダヴォスでアメリカ側と協議している。アンドリー・フナトフ参謀総長も加わる見通し。