ウクライナの攻撃でモスクワの空港一時閉鎖、ウクライナではロシアの攻撃で各地に被害

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ロシア当局によると、ウクライナによる継続的なドローン攻撃で19日から20日にかけて、首都モスクワ周辺の主要空港が一時閉鎖され、少なくとも140便が欠航した。一方、ウクライナ当局は、ロシアの空爆で19日に多数の犠牲者が出たと発表した。
ロシア国防省によると、19日朝からロシア全土で撃墜されたウクライナのドローンは230機を超え、そのうち27機は首都上空で迎撃されたという。
ロシアの航空当局によると、モスクワにある四つの主要空港が影響を受け、130便以上が他の空港への迂回(うかい)を余儀なくされた。現在はすべて通常運航に戻っている。
「ロシア旅行業者協会(ATOR)」は20日、ウクライナからの攻撃のため、モスクワの空港が24時間以内に10回閉鎖されたと発表した。
モスクワの南西に位置するカルーガ州も影響を受けた。ロシア国防省は、20日朝までに45機のドローンを迎撃したとし、カルーガ国際空港も一時閉鎖されたと明らかにした。
国防省によると、ドローンはこのほか、ウクライナ国境に近いロストフ州やブリャンスク州、さらに黒海上空でも撃墜されたという。死者の報告は出てない。
ウクライナのドローン攻撃でロシア国内の航空交通が混乱するのは、今回が初めてではない。ロシア国防省によると5月には、ウクライナが24時間で500機以上のドローンを発射し、ロシア全土の空港で少なくとも6万人の乗客が足止めされた。

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ウクライナ各地で犠牲者
一方、ウクライナ各地の当局によると、東部ドニプロペトロウシク州とドネツク州でロシアの空爆のため計4人が死亡したほか、スーミ州では攻撃を受けた住宅が全焼し、78歳の女性が死亡した。
南部オデーサでは、火災が発生したアパートから救出された女性がその後、負傷により死亡したと、ウクライナ国家非常事態庁が発表した。
ウクライナ空軍は、19日から20日にかけて飛来したロシアのドローン57機のうち18機を撃墜し、さらにレーダー妨害で7機を墜落させたと発表した。

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こうした中、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナとの和平に前向きだとしつつ、「我々の目標達成」がロシア政府にとって最優先課題だと述べた。
「プーチン大統領は、ウクライナ問題をできるだけ早く平和的に解決したいという意向を繰り返し述べている。これは長期的なプロセスで、努力が必要で、簡単なことではない」と、ペスコフ氏は国営テレビのインタビューで話した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、先月中断された和平交渉の再開を目指し、ロシアとの新しい協議を提案した。
両国のこれまでの交渉は停戦に至っていないものの、捕虜交換などの成果はあった。
ゼレンスキー氏はまた、「本当の意味で平和を確実にするには、指導者同士の会談が必要だ」と述べ、プーチン氏との直接会談に改めて意欲を示した。
ウクライナに対してはアメリカのドナルド・トランプ大統領が14日、一時中断していた武器供与を表明。トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)諸国を通じて「最新鋭の兵器」をウクライナに提供すると発表した。
トランプ氏はさらに、ロシアとの和平合意が50日以内に成立しない場合は、ロシアに厳しい関税を課すと警告。BBCの単独取材では「プーチンには失望しているが、まだ見限っていない」と話した。
トランプ氏のこうした発言についてペスコフ報道官は20日のインタビューで、「(トランプ氏の)いささか厳しく、単刀直入な物言いには、もうみんな慣れてしまった」としつつ、「同時に、(トランプ氏は)和平合意のためあらゆる仲介努力を続けるつもりだと、あらためて表明した」と指摘した。











