フーシ派が米貨物船攻撃、紅海とつながるアデン湾 「負傷者や大きな被害なし」とアメリカ

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アメリカは15日、イエメンの武装組織フーシ派が弾道ミサイル1発を発射し、イエメン沖のアデン湾を航行していたコンテナ船を直撃したと発表した。アデン湾とつながる紅海では、昨年からフーシ派による船舶への攻撃が続いている。
アメリカ中央軍(CENTCOM)によると、攻撃を受けたのはコンテナ船「ジブラルタル・イーグル」で、「負傷者や大きな被害はない」と報告されている。同船はマーシャル諸島船籍で米企業が所有している。
ジブラルタル・イーグルは攻撃を受けた後もアデン湾で航行を続けている。
海運会社イーグル・バルク・シッピングによると、コンテナ船は鉄鋼製品を輸送中で、攻撃を受けた当時はアデン湾の沖合約160キロメートルを航行していた。
コンテナ船は「船倉にわずかな損傷を受けたが安定しており、当該海域の外へ向かっている」と同社は説明した。
米中央軍はコンテナ船への攻撃の数時間前、アデン湾とつながる紅海を航行中の米駆逐艦に向けて発射された別のミサイルを、米戦闘機が迎撃・撃墜したと発表していた。
フーシ派はイランの後ろ盾を受けており、パレスチナ自治区ガザ地区でのハマスとイスラエルの戦闘をめぐっては、昨年11月から船舶への攻撃を続けている。攻撃対象はイスラエルとつながりをもつ船舶か、イスラエルの港に向かっている船舶だとフーシ派は主張。パレスチナ人とハマスへの支持を示すものだと、攻撃について説明している。
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英海上警備企業アンブレイは、コンテナ船ジブラルタル・イーグルについて、「イスラエルとの関連はないと評価された」船だとしている。
しかし、フーシ派の幹部ナスル・アルディン・アメル氏は15日、アメリカの船舶も標的対象として考えているとした。「アメリカの船舶というだけで十分、我々の標的となり得る」と、アメル氏は述べた。
紅海でのフーシ派による貨物船攻撃により、世界最大の海運会社の多くが航路を変更し、国際貿易への大きな混乱が生じている。
米運輸省は15日の攻撃を受け、「米国船籍および米国所有の商業船舶」が紅海とアデン湾の特定海域に近づかないよう勧告する海上警報を発令した。
世界第2位の石油会社カタールエナジーは15日、安全保障上の助言を求める間、同航路を使った輸送を一時停止することを決定したと発表した。
11日には、紅海に展開するアメリカとイギリスの海軍が、イエメン各地でフーシ派を標的とした空爆を実施。同盟国と連携し、イエメン国内のフーシ派のミサイル発射拠点や防空システムを空と海から攻撃した。

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イギリスのリシ・スーナク首相は15日、米英などの軍事行動でフーシ派の13の発射拠点が破壊されたと述べた。「今後の行動に関する推測はしない」としつつ、何も行動しなければ地域の安全保障を弱めることになるとした。
米情報機関は、フーシ派の軍事施設に対する米英共同の空爆によって、フーシ派の武器備蓄の約4分の1が破壊されたと評価している。
しかし、フーシ派の交渉担当トップのモハメド・アブドゥルサラム氏は、アメリカ主導の空爆があっても、イスラエル船舶や、イスラエルの港へ向かう船舶への攻撃は今後も続くだろうと、ロイター通信に述べた。
米政府はフーシ派のミサイル能力はイランが支えていると非難しているが、イラン政府はこれを否定している。イランのホセイン・アミル・アブドラヒアン外相は15日の記者会見で、西側諸国はイエメンに対する戦争を直ちにやめるべきだと述べた。







