ロシアがウクライナに対し「北朝鮮供与の弾道ミサイル使用」=米高官

ロシア軍が発射した弾道ミサイルによる被害(2日、ウクライナ・キーウ)

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画像説明, ロシアが発射した弾道ミサイルが2日、ウクライナの首都キーウを直撃した

アメリカは4日、ロシアが全面侵攻を続けるウクライナに対し、北朝鮮から供与された弾道ミサイルと発射装置を使用しているとの見方を示した。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、こうした武器供与について、北朝鮮政府によるロシア支援をめぐる「重大かつ懸念すべきエスカレーション」だと述べた。

そして、アメリカは国連安全保障理事会にこの問題を提起し、武器の譲渡を促進しようと動いている人物に追加制裁を科すとした。

ロシア政府は、こうした協力関係を否定している。

ただ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年9月にロシアを訪問した際、ウラジーミル・プーチン大統領と軍事協力の可能性を協議している。

アメリカはこれまで、北朝鮮政府がロシアに武器を供与していると非難してきた。しかし、900キロ先の目標物に到達できる自動誘導式の弾道ミサイルに関する詳細を、米情報機関が共有したのは今回が初めて。

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カービー氏は4日、ホワイトハウスでの記者会見で、ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルを調達する行為は、数々の国連安保理決議に直接違反するものだと述べた。

「我々は、ロシアが国際的な義務に再び違反した責任を、ロシアに負わせることを要求する」

また、ロシアにはイランの近距離ミサイル購入計画があると、アメリカは考えているものの、ロシアは実際にはまだ購入はしていないと、カービー氏は述べた。

イギリスは、ロシアが北朝鮮から調達した弾道ミサイルをウクライナで使用したことを「強く非難する」とした。

「北朝鮮は強力な制裁体制の対象になっている。ウクライナにおけるロシアの違法な戦争を支援する北朝鮮に、高い代償を確実に払わせるため、我々はパートナー各国との連携を継続していく」と、英外務省の報道官は述べた。

ウクライナ支援のための追加予算承認を求める

カービー氏は記者会見で、ウクライナ支援のための追加予算を「遅れなしに」承認するよう米連邦議会に求めた。

「ウクライナ国民に対するロシアの恐ろしい暴力行為に、最も効果的に対応する方法は、不可欠な防空能力やその他の軍事装備をウクライナに提供し続けることだ」とカービー氏は強調した。

「イランと北朝鮮は、ロシアを支持している。ウクライナ人には当然、アメリカ国民と米政府が味方であり続けるということを知らせておくべきだ」

ホワイトハウスは昨年12月27日、2億5000万ドル相当の武器などを提供する内容の、ウクライナへの軍事援助パッケージを承認した。新たな議会承認を必要とせずにバイデン政権が提供できる、最後の支援枠だった。

連邦議会では野党・共和党が、ウクライナ支援継続を認めるには、同時にアメリカ・メキシコ国境の不法移民対策強化がセットでなくてはならないとの立場を譲らず、協議が停滞している。

ウクライナは西側諸国からの追加援助が速やかに得られなければ、戦争遂行と財政が危機的状況になると警告している。