ガザ攻撃、まだ「数カ月以上」続くとイスラエル国防相 終結への圧力高まるなか

イスラエル軍の空爆が続いたガザ地区南部ハンユニス(14日)

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画像説明, ガザ地区南部ハンユニスでイスラエル軍の空爆が続いた(14日)

イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相は14日、パレスチナ自治区ガザ地区で続けている攻撃について、完了までまだ「数カ月以上」かかるとの見通しを示した。ガザではこの日も、南部ハンユニスやラファなどで空爆が続いた。国連機関はガザで多くの人が飢えていると警告している。

ガラント国防相はこの日、イスラエルを訪れたアメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談した。

イスラエル政府によると、ガラント氏はその際、イスラム組織ハマスがガザ地区でつくったインフラを破壊するのは容易ではないと説明。

「一定の期間が必要になる。数カ月以上かかるだろうが、私たちは勝利し、ハマスを壊滅させる」と述べた。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相もサリヴァン氏と会談。ハマスとの戦争について、「絶対的な勝利まで」続くと改めて強調した。

サリヴァン氏はパレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバス議長とも15日に会談する予定だと、ロイター通信が伝えている。

こうしたなか、BBCが提携する米CBSは米当局者2人の話として、イスラエルがアメリカに対し、現在の攻撃の段階は今後2~3週間で完了する見通しだと伝えたと報じた。

当局者の1人は、軍事作戦を終了させるわけではないが、ハマスの残りのリーダーらを追いつめる際に爆撃の強度をこれまでより下げることになると説明したという。

戦闘終結への圧力

ガザ地区では死者数が増え続け、人道状況も悪化している。ハマスが運営するガザ保健当局は14日、今回の戦闘が始まってからガザで殺された人は1万8700人を超え、負傷者は約5万人に上ったとした。

こうした状況を受け、戦闘の終結を求める国際的な圧力が高まっている。

アメリカのジョン・カービー国家安全保障会議(NSC)戦略広報調整官は14日、イスラエルとハマスの戦争が「できるだけ早く」終わることを望んでいると記者団に話した。

ただ、カービー氏は同時に、「イスラエルが脅威を除去するのに必要と思うだけ(この戦争は)時間がかかる」とも述べた。

ジョー・バイデン米大統領も同日、ガザでの攻撃をイスラエルに縮小してほしいと思っているかと記者団に問われ、「(イスラエルには)民間人の生命を守ることに集中してほしい。ハマスへの攻撃をやめろとは言わないが、もっと慎重になってもらいたい」と話した。

バイデン氏は12日に、イスラエルが「無差別爆撃」によって国際社会の支持を失いつつあると苦言を呈していた

南部で空爆、状況悪化

ガザ地区南部ラファで慈善団体から食事の提供を受けようと列を作る子どもたち(14日)

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ガザでは14日、南部のハンユニスとラファでイスラエル軍によるさらなる空爆があった。

ハンユニスでは地上侵攻も激しさを増している。日中には市中心部に続く主要道路のジャラル通りで、イスラエル軍が砲撃を強めた。

同市の救急隊員は、「市中心部にいる負傷者の救護に向かったが、爆撃が激しく、行き着くことができなかった」とBBCに話した。

イスラエル軍がハンユニスでの攻撃を強めるなか、パレスチナ人らは次々と、エジプトとの境界にあるラファへと逃れている。

ただ、ラファはハンユニスよりずっと小さな都市で、連日押し寄せる避難者を受け入れ切れていない。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、同機関が設置したシェルターの外で何万もの人々が避難生活を送っているとしている。

こうしたなか、国連世界食糧計画(WFP)のカール・スコウ副事務局長は、ガザで人口の半分が飢えており、食事を毎日取れていない人は9割に上っていると記者団に説明した。

飢えが関連した死者が出ているかと問われると、スコウ氏は答えられないと返答。WFPの配給現場の状況については、「法と秩序の崩壊」によって「絶望と(中略)怒りが高まっている」と述べた。

そして、危機の解決に努めているWFPのスタッフ自身、「危機を生きている」とした。

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国連の学校爆破の動画

イスラエル軍は14日、ガザ北部の病院でハマスのメンバー70人以上を拘束したと発表した。

一方、ガザの保健当局は、同じ病院においてイスラエル軍が医療の提供を妨げていると非難。負傷者10人を治療できず、うち2人が死亡したとした。

ガザ北部に関しては、UNRWAが運営する学校が爆破される場面の動画が12日にインターネットに投稿され、衝撃が広がっている。動画には、イスラエル兵が歓声を上げ拍手している音が入っている。

UNRWAのラザリーニ事務局長は、「まったくおぞましい」と発言。イスラエル軍はこの映像についてコメントしていないが、UNRWAの学校から発砲を受けたとした。

もう一つのパレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区のジェニンでは14日、イスラエル軍が3日連続で作戦を展開。パレスチナ人11人が殺害された。

イスラエル軍は、多数の武器と爆発物の研究施設、トンネルなどを発見したとしている。

動画説明, ヨルダン川西岸で武装抵抗の支持高まる 10代の若者も