イスラエル、「国際的支持なくても」戦い続けると強調 兵士10人がハマスの待ち伏せ攻撃で死亡

パレスチナ自治区ガザ地区に入る準備をするイスラエル兵(13日、イスラエルのガザ境界沿い)

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画像説明, パレスチナ自治区ガザ地区に入る準備をするイスラエル兵(13日、イスラエルのガザ境界沿い)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は13日、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの戦闘について、「最後まで、勝利するまで、ハマスを排除するまで継続する」と述べた。同国の外相も、支持の有無にかかわらず戦闘を続けると述べた。こうした中イスラエル軍は12日に兵士10人が死亡したと発表した。イスラエル兵の1日の死者数としては地上作戦開始以降で最多。

イスラエルのネタニヤフ首相は13日午後、軍の司令官らと面会し、「国際的な圧力」を念頭に、「我々を止められるものは何もない」と述べた。

同国のエリ・コーヘン外相も、「国際社会からの支持の有無にかかわらず」戦闘を継続すると述べた。

コーヘン氏は、「現段階での停戦実施はテロ組織ハマスへの贈り物同然で、ハマスの復活を許し、再びイスラエル住民を脅かすことを許すことになる」と警鐘を鳴らした。

損傷した建物内で火のそばにしゃがみ込むパレスチナ人(13日、ガザ地区ラファ)

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画像説明, 損傷した建物内で火のそばにしゃがみ込むパレスチナ人(13日、ガザ地区ラファ)

ガザ地区での戦闘によるパレスチナ市民の死者数の増加や、悪化する人道的危機をめぐり、イスラエルに対する国際社会の圧力は高まっている。

12日には、国連総会が緊急特別会合を開き、戦闘の「人道的な即時停戦」を求める決議案を賛成多数で採択した。

また、アメリカのジョー・バイデン大統領は同日、イスラエルはガザ地区への「無差別攻撃」によって国際社会の支持を失い始めていると述べた。この発言は、イスラエルのリーダーらに対するこれまでで最も強い批判となった。

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アメリカはこれまでのところ、攻撃の一時停止に反対するイスラエルの立場を支持してきた。

しかし、アメリカの複数の高官が次第に、イスラエルの攻撃方法に不満を示すようになっている。

ロイド・オースティン米国防長官は2日、イスラエルがガザ地区の民間人を十分に保護しなければ、「戦術的勝利が戦略的敗北」に取って代わる危険性があると警鐘を鳴らした。

大雨で避難キャンプが水浸し

ガザ地区は大雨に見舞われ、その場しのぎのテントや野外で過ごす数十万人の避難者の状況は悪化した。

ガザ北部から中部デリ・アル・バラに逃れてきたハナ・マンシさんは、「テントが水浸しになり、ずぶ濡れになってしまった」と、BBCのヨランド・ネル記者に話した。

「私たちは12人家族で、ブランケット1枚しか配布されなかった」

「子供たちは一晩中震えていた。私たちの防寒着は全部、がれきの中なので」

世界保健機関(WHO)は、過密状態の避難所では髄膜炎やとびひ、水ぼうそう、インフルエンザといった病気が劇的に増加していると報告している。

大雨に見舞われ水浸しになった避難キャンプ(13日、ガザ地区ラファ)

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画像説明, 大雨に見舞われたガザ地区ラファ。避難者が身を寄せるキャンプ地は水浸しになった(13日)

24時間で250回の空爆

ガザ地区では13日も、北部と南部の両方で激しい戦闘が続いた。

イスラエル国防軍(IDF)は過去24時間で250回の空爆を実施したと発表した。

ハマスは直近の一連の空爆で少なくとも50人が死亡したとしている。

IDFは、ハマスの重要拠点であるガザ市シェジャイヤで、イスラエル領内に向けてロケット弾を発射する準備をしていた「テロ部隊」の試みを阻止したと説明。

また、陸海空から「ガザ地区各地のテロ組織の標的とインフラに対する精密攻撃を続けており、この24時間で250以上のテロ組織の標的を攻撃した」とした。

イスラエル兵10人死亡、ハマスが待ち伏せ攻撃

IDFは、12日に兵士10人が殺害されたと発表した。イスラエル軍の1日あたりの死者数としては、10月27日にガザ地区での地上作戦を始めて以降で最多。

ほぼ全員が、ガザ市シェジャイヤでのハマスの待ち伏せ攻撃で殺されたという。シェジャイヤはここ数日、地上作戦の焦点となっている。

声明によると、ハマスの戦闘員は「地下にテロ・インフラも備えた集合住宅内から、兵士に爆発物を放ち、銃撃した」。

ハマスはイスラエル側の発表について、イスラエルの指導者と軍がハマスの武装組織による「強力な抵抗」を受けて「失敗した」ことを認めるものだとした。

10日に死亡したイスラエル兵の葬儀(13日、エルサレム)

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画像説明, 10日に死亡したイスラエル兵の葬儀(13日、エルサレム)
死亡した兵士の妻の手を取るヨアヴ・ガラント国防相(13日)

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画像説明, 死亡したイスラエル兵の妻の手を取るヨアヴ・ガラント国防相(13日)

南部ハンユニスがゴーストタウン化

ガザ地区南部の都市ハンユニスの中心部がゴーストタウンと化していると、トルコ・イスタンブールで取材するBBCのラシュディ・アブ・アルーフ記者は報告している。

イスラエルの戦車はまだ市中心部に到達していないものの、IDFは激しい火力でこの地域を制圧しているという。

メインストリート、ジャラル通りでたばこ店を経営するムサ・アル・マスリさんは、「中心部にある自分の店にたどり着こうとして、死を免れたのは奇跡的なこと」だと、BBCに語った。「ドローン(無人機)が私を激しく攻撃してきた。壁の陰に隠れて、脇道から逃げた。イスラエル軍の姿は見えなかったが、どこにいても死を感じた」。

つい最近まで地元住民や北部からの避難者でにぎわっていた市場も含め、この地域のほとんどの建物から人の気配が消えたという。

「1週間前に地上作戦が開始されて、いまでは完全に無人になっている」

「ほとんどの人はラファと、ハンユニスの西に避難している」

イスラエル軍の空爆を受けたガザ地区ハンユニスの上空に大きな煙が上がった(12日)

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画像説明, イスラエル軍の空爆を受けたガザ地区ハンユニスの上空に大きな煙が上がった(12日)