ガザ停戦の機会は縮小とカタール ハマス戦闘員が投降とイスラエル首相

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イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区に対して続ける爆撃によって、停戦の機会は「狭くなっている」とカタールの首長は10日、警告した。他方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、イスラム組織ハマスの戦闘員が次々と投降しているとして、ハマスが「終わりの始まり」を迎えていると述べた。これに対してハマスは、多くのイスラエル兵を殺害していると強調した。ハマスが運営する現地の保健省は同日、ガザ地区の死者が1万8000人近くに達したと発表した。
カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アル・サーニ首長はドーハ・フォーラムに出席し、カタール政府はハマスとイスラエルの双方に対し、停戦への圧力をかけ続けると述べた。「パートナーたちと共に、カタールとしての努力は続いている。私たちはあきらめない」と首長は強調しつつ、「双方の当事者から同程度の意欲が見られない」と説明。「爆撃が続くことで、(停戦の)機会が縮小している」と懸念を示した。
ハマスがとったイスラエル人人質の一部解放と、イスラエルが刑務所に収監するパレスチナ人の一部の釈放につながった11月末の一時停戦に向けた交渉において、カタールは仲介者として中心的な役割を担った。
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他方、イスラエルのネタニヤフ首相は動画メッセージで、「ここ数日のうちに、何十人ものハマス・テロリストが我が軍の前に降伏した。武器を下ろし、我が軍の勇敢な兵士に投降している」と述べた。
さらに、「まだ時間はかかる。戦争は今、全面的に続いている。しかし、これはハマスにとって終わりの始まりだ」とし、「ハマスのテロリストに告げる。おしまいだ。(指導者のヤヒヤ・)シンワルのために死ぬな。降伏しろ。今すぐ」と呼びかけた。
これに対して、ハマスの軍事部門アル・カッサム旅団のアブ・ウバイダ広報官は、中東メディアのアルジャジーラに対して、イスラエルが交渉に臨まない限り、人質を力で奪還することは不可能だと述べた。さらに、12月1日にガザで戦闘が再開して以来、ハマスはイスラエル軍の軍用車両計180台を一部もしくは完全に破壊したと話した。
ウバイダ広報官は、ハマスが多くのイスラエル兵を殺害しており、依然としてイスラエルに打撃を与えていると強調。「今後、さらに大きいことが起きる」とも述べた。
「地上の地獄」

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ドーハ・フォーラムでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長が、ガザ地区が「地上の地獄」になったと発言。「これほどひどい状況を見たことがない」と述べた。
パレスチナ自治政府のモハマド・シュタイエ首相は「イスラエルが国際人道法に違反するのを、いつまでも許してはならない」として、国際社会による制裁を求めた。
ヨルダン川西岸地区を統治するパレスチナ自治政府は、ガザ地区を実効支配するハマスとは別の組織。
避難先として指定された街の空爆続く
イスラエルによるガザ地区南部の攻撃は続き、イスラエルが当初、住民に避難先として指定した南部ハンユニスも激しい空爆を受けている。
さらに、イスラエル軍の戦車は10日夜に、ハンユニス中心部に達した。
イスラエル首相の上級顧問、マーク・レゲヴ氏はBBCに対して、ハンユニスで「厳しい戦闘」が予定されていると説明。民間人に「安全地帯へ移動」するよう求めた。
市内では多くの民間人が遺体を収容したり、家族の死を悲しむ様子が撮影されている。
イスラエルが「安全地帯」と呼ぶ地域の状況について質問されたレゲヴ氏は、イスラエルは民間人保護に最大限の努力をしていると強調した。
ガザの民間人が避難するよう指示されているアル・マワシの「安全地帯」は、わずか8.5平方キロの面積。ロンドンのヒースロー空港の敷地より狭く、主に砂丘と農耕地で、建物はほとんどない。
イスラエル首相、協力国に不満

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イスラエルのネタニヤフ首相は10日の閣議で、協力各国の姿勢に不満をもらした。
「ハマスの排除を支持する一方で、戦争を終わらせろと我々に圧力をかけるなど、ありえない。戦争を終わらせれば、ハマスを排除できなくなる」と首相は述べた。
この発言の2日前には、国連安全保障理事会が緊急会合を開き、停戦を求める決議案について採決した。アメリカの拒否権行使で採択はされなかったものの、理事国13カ国が賛成した(イギリスは棄権)。
国連安保理とは別に、世界保健機関(WHO)は、医療支援チームがただちにガザに入れるよう求める、異例の動議を可決した。テドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、ガザの公衆衛生状況は「壊滅的」だと述べている。
他方、UNRWAのラザリーニ事務局長が、イスラエルはガザに住むパレスチナ人全員をガザからエジプトへ追い出そうとしていると発言したことについて、イスラエル政府はこれを否定した。ただし、この計画はすでにイスラエル・メディアによって報道されている。











