自民党安倍派の4閣僚が辞表提出 政治資金問題で

松野博一前官房長官

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画像説明, 松野博一前官房長官

日本の自由民主党(自民党)の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、安倍派の4人の閣僚が14日、岸田文雄首相宛てに辞表を提出した。

辞表を出したのは、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)所属の松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相。

松野官房長官の後任には林芳正前外相(岸田派)、西村産業相の後任には齋藤健前法相(無派閥)、鈴木総務相の後任には松本剛明前総務相(麻生派)、宮下農水相の後任には坂本哲志元地方創生担当相(森山派)が起用される。

安倍派の副大臣5人と政務官1人も辞表を提出した。

安倍派は政治資金パーティー収入の一部を「裏金」化していたとみられる。政治資金収支報告書に記載のない、所属議員にキックバック(還流)した裏金の総額は、2022年までの5年間で総額約5億円に上る可能性がある。

東京地検特捜部が安倍派側を強制捜査する方針を固めたと、日本メディアは報じている。

支持率が急落している岸田政権にとって、裏金問題は新たな打撃となる。

自民党は1955年の結党以降、ほぼ一貫して政権政党の地位を維持してきた。しかし、NHKの最新の世論調査で、その支持率が23%まで下がったことが明らかになった。2012年12月に自民党が政権に復帰して以降で、最も低い。

有権者の怒りはインフレと、スキャンダルへの岸田氏の対応に向けられている。

閣僚4人がまとめて辞任したことで、最大派閥の閣僚がゼロになるという異例の事態となった。

2021年10月に首相に就任した岸田氏は13日、「現在の政治資金をめぐる様々な課題に、事態の推移を踏まえつつ、正面から」取り組んでいくと述べていた。

Japanese PM Fumio Kishida

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画像説明, 岸田首相(13日)

安倍派は所属議員ごとにパーティー券の販売ノルマを設定し、ノルマを超えた分を議員側に戻していた。これ自体は日本の法律上問題はない。

ただ、この追加収入が収支報告書に記載されず、裏金化していたとみられることから刑事告発を受けた。

松野氏は1000万円超の収入分を記載しなかった疑いが持たれている。

立憲民主党は13日、岸田内閣への不信任決議案を衆議院に提出したが、自民・公明党の反対多数で否決された。

来年9月には自民党総裁選が、2025年には参院選が予定されている。

一部のオブザーバーは、岸田氏が首相にとどまることができたとしても、現在進行中のスキャンダルによって岸田氏への信頼性は大きく損なわれるだろうと指摘している。

政治学が専門の、東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は今週、ロイター通信に対し、次期総裁候補がほかに見当たらないため、いまのところは岸田氏が引き続き政権を担うことになるだろうと述べた。ただ、有力な候補者が現れれば岸田氏を降ろそうとする動きが出てくるかもしれないとした。