岸田首相の演説会場に爆発物投げ込む、男を現行犯逮捕 和歌山市・衆院補選応援で

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岸田文雄首相が15日午前11時半ごろ、衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援で訪れていた和歌山市内で、演説を始めようとしていたところ、筒状の爆発物が投げ込まれた。白い煙が上がった後、爆発音がしたが、岸田首相はその場から避難し、けがはなかった。
岸田首相はこの日、和歌山市の雑賀崎漁港を視察。魚の試食を終えて演説を始めるところだった。
朝日新聞やNHKが伝えた住民撮影の現場映像では、岸田首相の演説直前に筒状のものが投げ込まれ、振り向いた首相を、SPが一気に取り囲みその場から離れさせる様子が映っている。

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目撃者の1人は、何かが投げ込まれた後に煙が上がったと話した。男が拘束されて数十秒後に、爆発音が響いた様子を捉えた現場映像もある。
現場の複数の映像には、容疑者とみられる人物を周囲の人たちが取り押さえた後、複数の警官やとびかかり、覆いかぶさっている様子が映っている。複数報道によると、周りの人たちが男を取り押さえた際、男は銀色の筒状のものを手に、ライターに火をつけるような手の動きをしていたという。
和歌山県警は、威力業務妨害容疑で男を現行犯逮捕したと発表。男の身元は、兵庫県川西市に住む木村隆二(きむら・りゅうじ)容疑者(24)という。調べに対し、事件などについて「弁護士が来てから話す」と供述しているという。

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首相は事件後、和歌山市内で衆院補欠選挙の応援演説を終えた後、飛行機で羽田空港に戻った。そこからさらに、衆院補選が同様に行われている千葉5区に移動して、街頭演説に臨んだ。
事件後にはツイッターに、「いま私たちは、私たちの国にとって民主主義にとって最も大切である選挙を行っています。この国の主役である皆さん1人1人の思いをしっかり示して頂かなければなりません。その思いで私は街頭演説の場に立ち続けます。この大切な選挙を、ぜひ国民の皆さんと力を合わせて、最後までやり通す覚悟です」と投稿した。
昨年7月には、安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃で撃たれる事件があり、要人警護体制の見直し・強化が進められる中での事件となった。

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<解説> 岸田首相は無事だ……しかし ――シャイマ・ハリルBBC東京特派員
今回の攻撃の動機はまだ不明だ。しかし、昨年7月の安倍元首相殺害事件が、果たして模倣犯を生み出したのか、問われることになるだろう。
日本の選挙戦では、国政選挙だろうが地方選挙だろうが、候補者と有権者の距離が非常に近い。政治家は集まった有権者に近寄り、握手をして、直接言葉を交わしたがる。
これには警備上のリスクが伴う。ただし日本では政治家が暴力で襲われる事件はきわめて珍しいため、かつては街頭演説などの警備は緩やかなものだった。
しかしもはやそうはいかない。安倍氏が殺害された後には、警察庁長官と県警本部長が引責辞任した。政治家の警備は強化された。しかし同時に、緊張感も高まっている。
今日の攻撃の詳細が明らかになれば、なぜこの国の総理大臣があのように攻撃されやすい状態にあったのか、問われることになるだろう。元総理が9カ月前に暗殺されたばかりなのだから。








