ポーランドで親EU政権誕生、トゥスク氏が新首相に選出

ドナルト・トゥスク氏

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ポーランド議会は11日、元欧州理事会議長のドナルド・トゥスク氏を新首相に任命した。8年にわたる右派ポピュリスト政党「法と正義」(PiS)政権が終わり、親EU派のトゥスク氏が首相に返り咲いた。

議会でトゥスク氏が新首相に選出されると、連立与党の議員らはトゥスク氏の名前を叫び、国歌を歌って祝福した。

新政権には、第1次トゥスク政権で外相を務めたラドスワフ・シコルスキが入閣するとみられている。トゥスク氏は2007~2014年にポーランド首相を務めた後、2019年まで欧州理事会の議長だった。

投票率が70%を超えた10月の総選挙では、欧州連合(EU)当局と衝突を繰り返していたPiSが第1党となったものの、単独では過半数議席を獲得できず、連立政権も形成できなかった。議会は12月11日、マテウシュ・モラウィエツキ首相に対する不信任投票を可決した。

一方、トゥスク氏率いる中道の野党連合「市民連立」は、総選挙で第2党だった。中道右派「第3の道」および「新左派」と連立を組むことで合意しており、過半数議席を確保していたが、アンジェイ・ドゥダ大統領がモラウィエツキ氏に組閣を命じたことで、現在まで政権に就けなかった。

親EU派の新政権は13日、大統領府で就任の宣誓を行う予定。

トゥスク政権に対する期待は大きい。新政権は、前政権の司法改革で損なわれてきた司法の独立を回復すると公約している。

「我々は、法の支配をできる限り回復するため、複数の措置に取り組んでいる」と、トゥスク氏は述べた。

新政権はこれによってEUとの関係を改善し、凍結されていた新型コロナウイルスのパンデミック復興基金からの360億ユーロを解除しようとしている。

さらに、人工妊娠中絶をほぼ全面禁止に追い込んだ2020年の判決を覆すことや、性的マイノリティー(LGBT)の人々への保護政策を強化すると約束している。

社会的に保守的でPiS寄りのドゥダ大統領は、信任投票に勝つ見込みのないモラウィエツキ氏に組閣を命じた。このため、2025年まで大統領のドゥダ氏が、トゥスク政権の政策実施を妨害するものと予想されている。

ポーランドで法案を成立させるには、議会での承認後に大統領の署名が必要で、ドゥダ氏は拒否権を行使できる。トゥスク氏の連立政権には、大統領の拒否権を覆すだけの議員はいない。

そのため、PiS前政権のさまざまな政策を撤回するという公約の実現は、容易なことではないとみられている。