イスラエル軍、ガザ南部ハンユニス中心部に到達と 「安全な避難場所ない」と支援機関

空爆が続くガザ地区の境界付近を移動するイスラエル軍の車両(5日)

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パレスチナ自治区ガザ地区南部への攻撃を続けるイスラエル国防軍(IDF)は5日、同地区で2番目の大都市ハンユニスの「中心部」に部隊が到達したと発表した。IDFは前日から夜通しかけて同市を砲撃していた。

IDFは5日の戦闘について、ガザ地区での地上作戦が10月下旬に始まって以来で「最も激しい1日」だとした。

「殺害したテロリストの数、銃撃戦の数、そして地上と空からの火力の使用という点において、我々は地上作戦開始以来、最も激しい1日を過ごしている」と、IDFは声明で述べた。

イスラエル当局は、イスラム組織ハマスの指導部メンバーがハンユニスに潜伏していると考えている。

IDFは4日、ハンユニスにいる人々に避難するよう指示していたが、翌日には「外には出るな」と書いたビラを投下した。IDFは、同市に部隊が入っており、住民らが街を離れるには危険すぎる状態だと述べた。

IDF、「ハマスの拠点」で戦っている

IDFの部隊がハンユニス中心部に入ったとの報告から数時間後、IDFのダニエル・ハガリ報道官は記者会見を開いた。

イスラエルは「ガザ地区北部で行ったように、(ハマスの)テロリストを排除し、インフラに損害を与える決意でいる」と、ハガリ報道官は説明。

IDFの先の声明の一部を繰り返し、IDFの部隊が「(北部の)ジャバリアの中心部とシェジャイヤ地区で」戦っているとした。

「そのような(ハマスの)各拠点では、地上と空からの複合攻撃が実施され、地下インフラが破壊され、多くのテロリストが対面での戦闘で排除され、武器の所在が突き止められている」

ハガリ氏によると、イスラエル政府は、138人の人質が「まだガザ地区で拘束されている」と考えている。

「人質全員を連れ戻すこと、そしてそのための努力を常に続けることが、我々の道徳的義務だ」

イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官

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「ハマスが南部を利用」

戦闘の初期段階では、イスラエルはガザ地区のパレスチナ人に南部へ避難するよう指示していた。しかし現在は、南部の一部地域がハマスに利用されていると、イスラエルは考えているという。

「ハンユニスからのテロリストたちは、10月7日の(イスラエルに対する)テロ攻撃で重要な役割を果たした。彼らはイスラエル領内に侵入し、大虐殺を行い、ハンユニス中心部に戻って来た」と、ハガリ氏は述べた。

IDFは4日、ソーシャルメディアに地図を投稿し、ハンユニスの北部と中部から「安全のため」去るよう住民に告げた。対象は6地域で、合わせて推定16万7000人が暮らしている。地図では矢印で、すでに過密状態となっている南部と西部の3地域への移動を指示した。

ところが5日になるとIDFは、ハンユニスにはすでに部隊が入っており、住民が街を離れるには危険すぎるとした。

市民に向けた新たなビラには、「外には出るな。外に出るのは危険だ。あなた方にそう警告しておく」と書かれており、指定された避難所や病院にとどまるよう市民に警告した。

生まれ育ったガザ地区を家族と共に離れ、現在はトルコ・イスランブールにいる、ラシュディ・アブアルーフBBCガザ地区特派員は、影響を受けている地域にいる親族らの話として、ガザ住民らはIDFが投稿した地図のことを知らなかったり、インターネットへのアクセスが不安定で、定期的な電力供給もないためソーシャルメディアを確認することができなかったりしていると報告している。

ハンユニスに身を寄せているある男性は、「これは地図ではなくジョークだ」と、アブアルーフ記者に語った。

ハンユニスから逃げたとしても、IDFの砲撃に遭わないという保証はない。

こうした中、パレスチナの主要通信会社は、ガザ地区でのすべての電話とインターネットサービスが再び切断されたと発表した。

イスラエル国防軍からの避難指示を受け、ガザ地区南部ハンユニスからラファへ移動する人々(5日)

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「安全地帯」さえ安全ではないと支援機関

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、IDFがガザ市民に対し、ハンユニスからエジプト国境に近いラファへの移動を指示したことを非難した。UNRWAはガザ地区で最大の人道支援活動を行い、南部の99の施設に95万8000人の避難者を受け入れている。

「この避難指示はパニックと恐怖と不安を引き起こした」と、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は4日夜に述べた。「少なくとも6万人以上が、すでに過密状態にあるUNRWAの避難所への移動を余儀なくされ、さらに多くの人が避難を希望している」。

「避難指示によって、ガザ地区の3分の1にも満たない場所に人々が集中することになる」

「ガザ地区には、南部であろうと南西部であろうと、ラファであろうと、一方的に『安全地帯』と呼ばれる場所であろうと、安全な場所などない」と、ラザリーニ氏は強調した。

最近までガザ地区にいた国連児童基金(ユニセフ)のジェイムズ・エルダー報道官は5日、「安全地帯」という考えは「危険な誤った物語」だと、BBCに語った。

そして、イスラエルは国際法の下で、人々が避難場所で生き延びることができる条件を確保しなければならないとした。

エルダー氏は、「水も、施設も、寒さをしのぐ場所も、衛生設備もない」と付け加えた。ガザ地区南部マワシの状況を指しているとみられる。

ガザ地区南部ラファ近郊のマワシでテント生活を送る避難者(5日)

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イスラエル、「安全な場所ない」との主張を一蹴

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の上級顧問マーク・レゲフ氏は4日、BBCのインタビューで、ガザ地区に安全な場所はないとの主張を一蹴した。

「私は、安全な場所がどこにもないとは思わない」と、レゲフ氏は述べた。

「我々は、(ガザ)市民が移動できる、より安全な地帯を指定している。ハマスのプロパガンダを信じている人は、我々が罪のない建物をただ攻撃しているように思うだろう。しかし、我々が建造物を攻撃しているとすれば、それはその建造物の中か地下にハマスがいるからだ」

ハマスが運営するガザ地区の保健省は、イスラエルとの戦闘によるガザ地区の死者が1万6248人に達したと発表した。

ハマスはAFP通信に、約2カ月におよぶこの戦闘で、7000人以上の子供と5000人近い女性が死亡したと伝えた。

負傷者は4万3616人で、少なくとも7600人が行方不明になっているという。

10月7日のハマスの奇襲では、イスラエル側で少なくとも1200人が殺害された。その多くは女性と子供だった。また、約240人がガザ地区へ連れ去られた。

ガザ地区の地図
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