ハマス戦闘員のボディカメラ映像、イスラエル軍が記者団に公開 住民襲う場面など

Still from video showing Hamas militants point gun at car on road

画像提供, IDF handout

画像説明, ハマス戦闘員が車に銃を向けている映像の一場面

注意:痛ましいと感じる恐れのある暴力描写が出てきます

イスラエル軍は23日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの戦闘員らがイスラエルを襲撃した際に身に着けていたとされるボディカメラなどの映像をジャーナリスト向けに公開した。2週間前の攻撃について、残虐性を世界に再認識させる狙いがあるとみられる。

限定公開されたのは、ボディカメラ、監視カメラ、車載カメラ、携帯電話(ハマス戦闘員と犠牲者の両方のもの)の映像。イスラエル軍は、収集した数百時間分の映像を43分に編集したと説明した。

映像の最初のほうでは、ハマス戦闘員を荷台いっぱいに載せたピックアップトラックの一団が、イスラエルの高速道路を自由に走行。戦闘員らは住民に向けて気ままに発砲している。

ハマス戦闘員らはさらに、道路で住民を撃ち、歓声をあげる。そして、キブツ(農業共同体)内の道をうろつき、家の中に押し入って親子を殺害する。

住宅用監視カメラに残っていた映像には、兄弟の少年2人を地上シェルターへと急がせる父親が映っている。直後、ハマス戦闘員がシェルターに手投げ弾を投げ入れ、父親は死亡、兄弟はけがを負う。

血まみれでショック状態の兄弟は、叫び声を上げ、よろめきながら家の中へと戻る。そこにハマス戦闘員が静かに入ってきて、兄弟の前にある冷蔵庫の中をのぞく。しばし動きを止め、飲み物を取る。そして外に出て行く。

兄弟の1人が泣きながらもう1人に、「父さんが死んだ、いたずらじゃない」と言い、「どうして僕は生きているの?」と繰り返す。声をかけられている方は、手投げ弾で目が見えなくなったようだ。この兄弟が生き延びたのか、軍の報道官は明言しなかった。

Still from dashcam footage shows shattered windscreen of car after Hamas gunman shot at it

画像提供, IDF handout

画像説明, 車載カメラには、ハマス戦闘員が民間人の車に向けて発砲し、フロンドガラスにひびが入る様子が映っている

<関連記事>

今回の映像には、ハマス戦闘員らがガザ地区にいる両親にかけた電話の音声も含まれている。被害者の電話を使い、「少なくとも10人のユダヤ人を素手で殺した」と自慢している。

注意:このあと生々しい暴力描写が出てきます

戦闘員は両親に、「(通話アプリの)ワッツアップを開いて、何人死んだか見てほしい」と繰り返し訴える。「あなたたちの息子が数多くのユダヤ人を殺したんだ」、「お母さん、あなたの息子は英雄だ」。

映像の別の部分では、ハマス戦闘員がキブツの住民の遺体らしきものに向けて、祝うように発砲している。さらに、園芸用のくわを使い、まだ生きていると思われる人の首を切断しようとしている。

映像には、被害者の携帯電話で撮影された場面も出てくる。銃声や爆発音が近づく中、セーフルーム(防護室)やシェルターに身を隠していた人たちが絶望的な恐怖を感じている。

イスラエル軍のいら立ち

イスラエル軍がこうした映像をジャーナリストに公開したのは、軍幹部が不満を募らせていることの表れだ。多くのメディアがハマスの残虐な襲撃よりも、イスラエルによるガザ地区への空爆や、ガザ北部住民の大規模移動に伴う人道危機を大きく取り上げていることに、幹部らはいら立っている。

イスラエル軍のガザ師団司令官を務めたマイケル・エーデルシュタイン少将は、映像の公開後、「イスラエルがしていることと、卑劣なテロリストがしていることを比較しようとしている放送局がある」と主張。

「比較する人を理解できない」、「(映像を)共に見た後では、みながそのことを知るべきだ」と述べた。

イスラエル当局によると、今月7日のハマスの攻撃以降、イスラエル人の死者は1400人を超えている。また、220人以上がガザ地区で人質になっているとみられる。

一方、ハマスが運営するガザ地区の保健当局は、イスラエルによる空爆が始まってから5000人以上がガザ地区で死亡したとしている。パレスチナ自治政府の保健当局によると、ヨルダン川西岸地区でも91人が死亡している。

Family of French-Israeli soldier Eli Valentin Ghenassia, who was killed in Kibbutz Beeri on 7 October, grieve at his funeral

画像提供, Getty Images

画像説明, イスラエルでは1400人以上が殺害されたとされており、多くの国民が家族の死を悲しんでいる

イスラエル軍はまた、死亡したハマス戦闘員から回収したという、襲撃と人質奪取の詳細な計画指示書だとする2冊を公開した。

その中には、「できる限り多くの犠牲者を射殺し、人質を取り、何人かはいろいろな車でガザ地区に連れて行く」と書かれた部分もあるという。

エーデルシュタイン少将は、ハマスが「一般住民を殺害し、焼けという命令を受けてやってきた」のは明らかだと述べた。

「ハマスは家族を家の中で焼き殺すことにした。人質を取り、子どもたちをガザに連れ帰ることを狙っていた」

「何人を殺し、何人を人質に取るか、命令があった。レイプの命令もあった。すべて記され、命令されていた」

今回の映像の公開前には、イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官が、公開をめぐり軍内部で議論があったと説明。最終的には自らの判断で公開を決めたと話した。

「私たちは未来のために集団的記憶を作り出す必要があると、すでに認識している」、「世界に忘れさせはしない」。

動画説明, 住民4人に1人が死亡か行方不明、縛られ焼かれた人も ハマス襲撃のイスラエル集落