ガザ南部の避難者、「一部は北部に戻っている」と国連高官 悲惨な状況に直面し
パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエルの攻撃を逃れるため南部に避難してきた人々の一部が、悲惨な生活状況を理由に北部に戻り始めていると、国連高官が説明している。
イスラエルは先週、ガザ市などガザ地区北部で暮らす110万人に対して先週、安全のため南部に移動するよう通告した。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの急襲を受けたイスラエルは、ハマスの壊滅を掲げている。
国連の推計では、この2週間でガザ地区の人口の約3分の2にあたる140万人が、恐怖や自宅が破壊されたことなどを理由に避難している。
南部ハンユニス市には60万~70万人が流れ込み、多くの人が病院やクラブ、レストランで避難生活を送り、路上で寝ざるをえない人もいると、BBCのラシュディ・アブ・アルーフ記者は伝えている。
生活環境は悪化が著しい。ガザ地区の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のトーマス・ホワイト事務所長によると、南部に移動した人々は、避難場所や食料、飲み水を見つけるのに苦労している。避難者のほとんどは1日あたり1リットルだけの水と、1、2個のパンで生活しているという。
そのうえ、ガザ地区ではイスラエルが空爆を続けており、南部でも民間人が死傷している。
ガザ地区の保健当局は23日午後、過去24時間で436人が死亡したと発表した。大半は南部の人々で、182人は子どもだとした。
また、今回のイスラエルとの軍事衝突が始まって以来、ガザ地区全域の死者は5087人に上ったとした。
イスラエル軍は23日、ガザ地区全域でハマスの軍事目標数百カ所を前日に攻撃したと発表した。イスラエル軍は予想される地上侵攻に先立ち、空爆を強化している。
ハマスは7日にイスラエルを急襲し、少なくとも1400人を殺害、222人を人質に取った。以来、イスラエルは報復としてガザ地区の空爆を続けている。
「北部に戻っている」
こうしたなか、UNRWAのホワイト氏は、人道危機と、民間人が生活する地区への継続的な空爆から、「一部の人々は北部に戻っている」とBBCに説明した。
「北部の人々は家、仕事、生活などすべてを置き去りにしてきた。南部に来たものの、避難場所を見つけるのに苦労し、食料は乏しく、多くが飲用に適さない水を飲まなくてはならない。南部の状況は悲惨だ」
ハンユニスに避難してきたリヤド・ジャアバスさんは、「私たちはガザ市を出ざるをえなかった。ハンユニスは安全だと聞いていたが、今ではガザのどこにも安全な場所などない」とロイター通信に話した。
イスラエルはハマスの攻撃を受けた今月7日以降、ガザ地区の電気を遮断し、水の大半、食料、医薬品を搬入できないようにした。ただ21日からは、エジプトのラファ検問所から支援物資のトラック数十台がガザ地区に入ることを認めている。
国連は食料、水、医薬品を積んだ計34台のトラックが週末にガザ地区に入ったことを歓迎した。だがUNRWAのホワイト氏は、ガザの需要を満たすには1日につきさらにトラック数百台分の物資が必要だとし、特に燃料が不足していると訴えた。

イスラエルが1日で320カ所攻撃
イスラエル国防軍(IDF)は23日、「ハマスのテロリストがいるトンネル、数十の作戦司令部、(中略)軍事施設、監視所」など、ガザ地区の320カ所の標的を前日に攻撃したと明らかにした。
また、「IDFはさらに、地上作戦の準備を進めているガザ地区周辺にいる部隊にとって脅威となる標的を攻撃した。迫撃砲弾や対戦車ミサイルの発射基地などだ」とした。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、イスラエルの連続攻撃でガザ地区の空が照らされる様子が映っている。
ガザ市のアル・クッズ病院の院長は、病院から100メートルの範囲内で10回の空爆があったとBBCに話した。同病院には患者500人と避難者1500人がいるという。










