X、選挙の偽情報の通報機能を停止か 豪調査会社が指摘
大井真理子、ビジネス記者

画像提供, Getty Images
米ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)が、一部の地域で実装していた選挙に関する偽情報を通報する機能を停止していたことが、調査会社によって明らかになった。
オーストラリアの「Reset.Tech Ausutralia」は、この機能がここ数週間の間に、欧州連合(EU)以外の地域で廃止されたと指摘した。
これを受けて、オーストラリアでの先住民の権利拡大を問う重要な国民投票や、2024年のアメリカ大統領選挙を前に、懸念が高まっている。
オーストラリア当局は、選挙に関する偽情報の拡散は、これまでで最悪の規模になっていると述べた。
ツイッターは2021年にアメリカとオーストラリア、韓国でこの機能の提供を開始。昨年にはブラジルとフィリピン、スペインにも拡大していた。
ユーザーは「コンテンツを報告」する機能から、「誤解を招くもの」、そして「政治」と、その内容を通報することができた。
「Reset.Tech Ausutralia」は手紙で、オーストラリアが来月に国民投票を控える中、この機能の廃止は「非常に心配だ」と述べた。
「このプラットフォームで選挙関連の偽情報が見つかっても、それを報告する手立てがないようだ」と、書簡は指摘している。
ユーザーは今でも、ヘイト(嫌悪)や攻撃的だと思うコンテンツやスパムだと思うコンテンツを通報できる。
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選挙の誤情報を通報する機能は当初、欧州とスペインにしかなかった。
「Reset.Tech Ausutralia」によると、同機能は現在、EU加盟国で使えるが、仕様が少し異なるという。EUのユーザーは、特定の投稿を「市民生活の混乱や選挙にネガティブな影響がある」として通報できる。イギリスのアプリには、この機能は実装されていない。
欧州委員会が最近行った調査によると、世界の6大ソーシャルメディアの中で、最も多く偽情報が投稿されているのはXだという。
この研究では、フェイスブック、インスタグラム、リンクドイン、TikTok、X、ユーチューブにある6000件以上の投稿を調査。その結果、Xは偽情報の「発見可能性」、つまり、ユーザーが偽情報を見る可能性が最も高かった。最も低かったのはユーチューブだった。
ヴェラ・ヨウロヴァ欧州委員(価値観・透明性担当)は、「(Xには)こう申し上げる。あなた方は、確たる法律に従わなくてはならない。あなた方の行動を私たちは注視している」と警告していた。
EUでは、テクノロジー大手はデジタル・サービス法(DSA)を順守しなくてはならない。同法はユーザーを保護し、選挙への介入を防ぐものだ。
米富豪イーロン・マスク氏は2022年秋にツイッターを買収して以降、同プラットフォームはヘイトスピーチや偽情報の増加で批判されている。マスク氏はこの件について、BBCのインタビューで否定している。
マスク氏は、Xの「コミュニティー・ノート」機能は、ユーザーが投稿にコメントすることで、虚偽や誤解を招くような内容にフラグを立てることができ、ファクトチェック(事実確認)の方法としてより優れていると主張している。
BBCは今回の件について、Xにコメントを求めている。









