大英博物館、所蔵品の盗難めぐり館長が辞任へ

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大英博物館のハルトヴィヒ・フィッシャー館長は25日、所蔵品の盗難をめぐって引責辞任すると発表した。
大英博物館は今月16日、収蔵品が「紛失、盗難、または損傷」されたとして、職員1人を解雇したことを明らかにしていた。
声明の中でフィッシャー氏は、2021年に盗難の報告があった際、博物館が「求められる包括的な対応をしなかった」ことは明白だと述べた。
また、この件について最初に館長に警告を発した美術商についての発言を撤回。「不当な」コメントを「心から後悔している」と述べた。
その上で、「博物館が直面している状況は極めて深刻だ。博物館がこの瞬間を乗り越え、より強くなっていくと心から信じている。しかし悲しいことに、私の存在が邪魔になっているという結論に至った」と、辞任を表明した。
フィッシャー氏は、大英博物館の理事会が後任を見つけ次第、館長職を退任する。
併せてジョナサン・ウィリアムズ副館長も、盗難に関する独立調査が終了するまで、通常業務から離れることなった。
美術商がインターネット上で発見したものの……
大英博物館が最初に盗難について報告を受けたのは2年前、古美術商のイタイ・グラデル博士からだった。
BBCが入手した電子メールによると、グラデル博士は古代ローマのカメオの破片がインターネット上で売りに出されている写真を偶然見つけ、不審に思ったのだという。
グラデル氏は、この品物が以前、大英博物館のウェブサイトに掲載されていたが、その後削除されたと指摘した。
博物館は調査すると言ったが、進捗(しんちょく)を確認するためにメールを送ったところ、フィッシャー氏が「すべてをカーペットの下に隠した」のだと、グラデル氏は非難していた。
今週に入ってフィッシャー氏は、2021年に博物館が行った調査を擁護。当時、博物館はグラデル博士に「すべての品物は確認済み」と伝えていたいう。
フィッシャー氏はまた、グラデル氏が他の紛失物に関する情報を隠したと「信じるに足る」理由があると語った。グラデル氏はこれは「真っ赤な嘘」だと反論していた。
グラデル氏は25日、BBCニュースの取材に対し、フィッシャー氏の辞任は「正しいことで、もっと早くそうするべきだったと思うが、謝罪は受け入れる」と話した。

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盗難をめぐっては、ロンドン警視庁が捜査に乗り出している。今週初めには男性1人が事情聴取された。逮捕者は出ていない。
一部報道によると、盗難があった期間は「非常に長い」という。
中にはオークションサイト「イーベイ」に出品され、実際の推定価格よりもかなり安く売られているものもあるという。
博物館によると、失われた収蔵品は紀元前15世紀から紀元19世紀のもの。最近展示されたものはなく、主に学術・研究目的で保管されていたという。









