ウクライナ、クリスマスを12月25日に変更 ロシアとの違い強調

ヤロスラフ・ルキフ、BBCニュース

People sing Christmas carols in Kyiv's underground, Ukraine. Photo: 25 December 2022

画像提供, EPA-EFE/REX/Shutterstock

画像説明, 昨年12月25日にキーウの地下鉄に避難し、クリスマスを祝った人たち

ウクライナ政府は28日、クリスマスの国民の祝日を従来の1月7日から12月25日に変更する法律を成立させた。ロシアのさまざまな慣習から距離を置く一連の施策の一環。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「クリスマスのお祝いを我々に押し付けるロシアの伝統を切り捨てる」ための法案に署名し、成立させた。議会は2週間前に法案を可決していた。

新法ではクリスマスのほか、「ウクライナ国家性の日(建国記念日)」を7月28日から7月15日に、「ウクライナ防衛者の日」を10月14日から10月1日に変更した。

ウクライナ政府は近年、宗教や文化などにおいてロシアとの結びつきを断ち、西側諸国に接近。2022年2月からのロシアによる侵攻開始から、この動きはいっそう顕著になった。

今回のクリスマス変更について、ロシア政府はコメントしていない。

ロシア帝国からソヴィエト連邦に至るまでロシアは何百年も、ウクライナの全面支配を試みては失敗してきた。支配政策の中には、ウクライナ正教会に対するロシア正教(モスクワ総主教庁)の権威押し付けも含まれていた。

しかし2019年になると、キリスト教東方正教会の首席総主教とされるバルトロメオス1世コンスタンチノープル全地総主教が、2018年に創設して間もない新たな「ウクライナ正教会」に対して、ロシア正教会の管轄下からの独立を認めた。

これに、ロシア正教会は猛然と反発。ロシア正教会は、プーチン政権によるウクライナ侵攻を全面的に支援している。

今年1月まで、このウクライナ正教会はロシア正教会を含む複数の正教会と同様、ユリウス暦にもとづき、キリストの生誕を1月7日に祝った。しかし、今回の新法によってウクライナ正教会は、精度が比較的高く、国際社会の大部分で採用されているグレゴリオ暦にもとづき、12月25日をクリスマスとすることになった。

ウクライナでは近年、正教会信者の多くは、ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)を離れ、2018年に発足したウクライナ正教会に加わっている。その大半が今年から12月25日にキリストの誕生を祝うことになる見通し。

さらには、12月25日と1月7日の両方をクリスマスとして祝う人も出ると予想されている。

一方、クリスマスを1月7日に祝ってきたウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の信者も、国内になお数百万人いる。同教会は今回の決定についてコメントしていない。

ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)は2022年5月、ロシア正教会の最高指導者キリル総主教からの独立を宣言。しかしその後も、同教会の複数の聖職者がウクライナ国内でロシアに協力した罪で起訴されている。同教会は、そのような協力をした証拠はないと主張している。

Workers prepare to dismantle the state emblem of the Soviet Union from the shield of the Motherland Monument in Kyiv as it will be replaced by the Trident - Ukraine's coat of arms. Photo: July 2023

画像提供, Future Publishing via Getty Images

画像説明, 首都キーウに立つ巨大な祖国記念像が手にする盾から、ソ連の国章を外す作業員たち。今後、ウクライナの国章に変更される予定(2023年7月、キーウ)

ロシアによる2014年3月のクリミア併合以来、ウクライナはこれまでも、ロシアや旧ソ連にまつわる記念碑や像を撤去したり、ロシアや旧ソ連の歴史的人物にまつわる道路の名前を変更したりしてきた。2014年以降に制作されたロシアの映画も、ウクライナでの上映は禁止されている。