ロシアがオデーサ攻撃、大聖堂が破損 子供含む多数死傷
ウクライナ南西部オデーサが23日、ロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも1人が死亡し、子供4人を含む20人が負傷した。現地当局が発表した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が今年1月に世界文化遺産に登録したオデーサの歴史区域が砲撃され、ウクライナ正教会の救世主顕栄大聖堂が大きく損壊した。
オデーサ州のオレフ・キペル知事は、子供4人を含む14人が砲撃で負傷し、病院に運ばれたと明らかにした。大聖堂のほか、民家6棟が破壊されたという。
ウクライナ政府は、ロシアがウクライナ正教の徹底的な破壊に取り組んでおり、その一環として大聖堂を「破壊」したのだと主張。ウクライナ外務省はツイッターで、「決して忘れないし許さない戦争犯罪だ。 #ロシアはテロ国家」と書いた。
ウクライナ軍南方司令部は、ロシア軍が少なくとも5種類のミサイルでオデーサ州を攻撃したとフェイスブックに書いた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、報復を約束。23日夜の定例演説で、「撃墜を難し、最大限の破壊をもたらすため19種類のミサイルがオデーサへ撃ち込まれ」たとして、「たくさんのミサイルの標的は、都市や村や人間というだけではない。ロシアのミサイルは人類と、我々の欧州文化の基礎そのものを標的にしている」と非難した。
ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク長官は、メッセージアプリ「テレグラム」で、「平和的な都市に対する、歴然としたテロ行為」だと書き、「民間人や民生インフラを敵が攻撃できないようにしなくてはならない」と強調。あらためて、ウクライナにミサイルや防空システムを追加提供するよう各国に求めた。
対するロシア側は、主要港オデーサの複数の施設が「テロ行為」の準備に使われていると主張。大聖堂を破壊したのは、ウクライナの防空システムだと反論した。
ユネスコは、オデーサの歴史地区への攻撃を「深く憂慮し、これ以上はないほど非難する」とコメントした。これまでも繰り返し、オデーサへの攻撃をやめるようロシアに呼びかけている。
<関連記事>

ウクライナに滞留する穀類を輸出するための多国間協定をロシアが18日に失効させて以来、ロシア軍は穀類輸出の主要拠点オデーサをほとんど絶え間なく攻撃し続けている。
これについてウクライナ側は、貯蔵されている穀類や輸出に不可欠なインフラを、ロシアが集中的に攻撃していると批判。18日から19日にかけてはオデーサ周辺への攻撃で貯蔵インフラが被害を受け、約6万トンの穀物が失われたと明らかにした。
大聖堂にミサイル直撃

オデーサで取材するBBCウクライナ特派員のジェイムズ・ウォーターハウス記者によると、救世主顕栄大聖堂は屋根のほとんどが攻撃で失われた。分厚い壁はまだ直立しているものの、いくつかの柱は傾いている。
ミサイル直撃による被害だというのは、疑いようもないと記者は指摘する。
現場でがれきをどかす作業を続ける人たちが、ロシアのミサイルの破片だというものを記者に見せた。
「ロシア支配下にある信仰の場所を、ロシアのミサイルが破壊したことになる」と、記者は指摘した。
救世主顕栄大聖堂はオデーサ最大の正教教会で、1809年に聖別された。ソヴィエト連邦が1939年に破壊したが、2003年に再建された。

画像提供, EPA
大聖堂のアンドリー・パルチューク首輔祭(しゅほさい)は、攻撃後に真っ先に現場を訪れたと話し、「とんでもない規模の破壊だ」と話した。
「大聖堂の半分は屋根がなくなり、中央の杭(くい)や基壇も破壊されていた」
「窓も、漆喰(しっくい)の繰形も、すべて吹き飛ばされていた。イコンやろうそくを販売している場所から出火し、あちこちに燃え移り、何もかも燃えていた」

画像提供, Reuters










