プーチン氏逮捕は「ロシアへの宣戦布告」と南ア大統領 BRICSサミットを控え

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南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を南ア訪問の際に逮捕すれば、ロシアに対する宣戦布告になるとの見解を示した。
南ア・ヨハネスブルクでは来月、ブリックス(BRICS)と呼ばれる新興5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳会議が予定されており、プーチン大統領も招待されている。
しかし、国際刑事裁判所(ICC)は今年3月、ウクライナにおける戦争犯罪に関わった疑いがあるとして、プーチン氏に対する逮捕状を発行。ICC加盟国の南アフリカは、プーチン氏が来訪した場合には、同氏を逮捕しなくてはならない。
ただ、南アはそうした義務を果たすことを拒否した過去がある。2015年には、自国民に対する戦争犯罪で指名手配されていたスーダンのオマル・バシル大統領(当時)の安全な通過を許可している。
南アの最大野党・民主同盟は、プーチン氏が入国した場合に当局に逮捕を強制できるよう、裁判を起こしている。
裁判書類によると、ラマポーザ大統領は国家安全保障のリスクを理由に、こうした動きに断固として反対している。
宣誓供述書でラマポーザ氏は、「南アフリカは、プーチン大統領の逮捕と引き渡しの要求を実行する上で、明らかな問題を抱えている」と主張。
「ロシアは、現職の大統領を逮捕することは宣戦布告になると明言している。ロシアと交戦するリスクを冒すことは、わが国の憲法と矛盾する」
ラマポーザ氏はさらに、南アはロシアやウクライナと「戦争を完全に終結させることを視野に入れて」協議を続けているアフリカ諸国の一つであり、プーチン氏を逮捕しようとするのは逆効果だと述べた。
ラマポーザ氏は6月、アフリカ7カ国によるロシアとウクライナに提示する平和イニシアチブの一環として、プーチン氏や、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談。和平の道を模索したものの、最終的には失敗した。
ロシアのウクライナ侵攻を非難する国連総会決議にアフリカ諸国が消極的なのはよく知られている。
特派員らはその理由として、南アにおけるアパルトヘイト(人種隔離政策)反対運動と旧ソヴィエト連邦の関係や、マリがジハーディスト(イスラム聖戦主義者)との戦いでロシアの雇い兵組織「ワグネル」に依存している現状など、さまざまな要因が絡んでいると指摘する。
また、南アは言うまでもなく、アフリカの国々とロシアには経済的なつながりもある。
さらに、対ロ制裁の対象になっているロシアの富豪(オリガルヒ)ヴィクトル・ヴェクセルベルグ氏は、南アの与党・アフリカ民族会議(ANC)の最大の寄付者の一人とされている。









