中国・天安門事件から34年 香港で活動家ら拘束

マーティン・イップ(香港)、アダム・ダービン(ロンドン)、BBCニュース

Alexandra Wong being detained by Hong Kong Police

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画像説明, 香港の著名活動家アレクサンドラ・ウォンさん(中)も警察に拘束された

中国で天安門事件が発生してから34年となる4日、香港では民主活動家らが警察に拘束された。

中国では1989年、北京で行われていた平和的な抗議デモを、戦車や軍兵士らが武力で鎮圧した。当局は、この事件を公に記念することを禁じている。

しかし、中国以外のさまざまな国の都市では、ろうそくをともす追悼集会などが開かれている。

香港でこの日拘束された人の中には、「ウォンおばあちゃん」と呼ばれる著名活動家のアレクサンドラ・ウォンさん(67)もいた。何十年にもわたって追悼行事が開かれてきたヴィクトリア公園に近い銅鑼湾(コーズウェイ・ベイ)地区で花を持っていて拘束された。

香港の主要野党の一つ、社会民主連線を率いるベテラン民主活動家の陳宝瑩氏も、LEDのろうそくと花2輪を手にしていたところを拘束された。

香港記者協会の会長を務めた麦燕庭さんも一時拘束され、のちに釈放された。警察は1人を逮捕し、23人を警察署に連行して取り調べたと発表した。

天安門事件を記念する行事は中国本土で禁止されている。しかし、1997年にイギリスから中国に返還された香港は「一国二制度」のもと、経済、政治、法律の面で半ば自治が行われ、中国で唯一、記念行事が20年以上認められてきた。

しかし、中国政府は2020年、反体制的な動きを非合法とする厳格な香港国家安全維持法(国安法)を施行。天安門事件の公的記念行事も違法とされた。

香港で毎年恒例だった記念行事は、新型コロナウイルス関連の規制で禁止された2019年以降、開催されていない。

毎年6月4日に追悼集会が開かれ、数万人が集まることもあったヴィクトリア公園では今年、親中派団体がイベントを開いている。

Police detain a man with the scripts of titled "May 35", a reference to the 4 June 1989 Tiananmen Square massacre in Beijing

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画像説明, 香港の警察は「5月35日」と題した本を手にしていた男性を拘束した
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香港の警察は、市内の主要な場所に数千人の警官を配置。人々を呼び止め、所持品などの検査や質問をしている。

ヴィクトリア公園に近い地下鉄駅の外には、記者を含めた通行人を検査するためのブースが設置されている。

また、警察力を誇示するように、中国製の装甲車2台も付近に配備されている。

抗議デモが予想されることから、香港政府は公共の図書館から天安門事件の関連書籍を撤去した。

この日拘束された人の中には、「キャンドルを掲げろ! 64を追悼せよ」と叫んだ女性もいた。また、「5月35日」というタイトルの本を手にしていた男性もいた。こうした数字はいずれも、天安門事件があった6月4日を意味している。

火のついていないろうそくを持ったり、かつての民主化運動のシンボルカラーだった黄色の服を着たりしている人も拘束された。

3日には4人が逮捕されたが、公共の場での秩序を乱した、あるいは扇動する意図をもって行動したなど、いずれも国安法で新たに制定された罪状に基づく容疑での逮捕だった。

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世界各地では4日、天安門事件で中国軍に殺害された犠牲者を追悼する集会が開かれた。

台湾の台北では、数百人の群衆から「自由のために戦う、香港と共に立つ」といったかけ声が響いた。これらの人々は、香港大学から2021年に撤去された、天安門事件の死者を追悼する有名な記念碑「国恥の柱」のレプリカを台北に設置した。

台湾について中国は、自国領だと主張し、必要なら武力で支配すると表明している。

Taipei vigil

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画像説明, 台湾・台北で開かれた追悼集会
People protest in London

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画像説明, ロンドン中心部でも抗議デモがあった
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天安門事件の犠牲者を追悼しようとする人たちは、かつて香港にあった生き生きした市民社会と政治コミュニティーの精神が継承されることを望んでいる。香港は現在、多くの人が国安法で投獄されたり、香港を離れたりしたため、ほぼ沈黙状態に陥っている。

1989年に北京の天安門広場であった抗議デモは、政治的自由の拡大を求める全国的なデモの中心となった。学生を中心とした数千人が広場を数週間にわたって占拠し、6月4日に軍が発砲した。

中国政府は市民200人と治安担当の数十人が死亡したとしている。その他の種々の推定では、死者は数百~1万人とされている。

今回の香港当局の行動について活動家たちは、香港における反体制的な意見を封じ込めようという中国の意図の表れだとみている。

動画説明, 天安門事件から30年 中国が忘れた映像