香港大、天安門事件の追悼像を撤去 「墓石の破壊」と制作者は批判

画像提供, Reuters
香港大学は23日、1989年に起きた中国の天安門事件の犠牲者を追悼する記念像を構内から撤去したと発表した。同大は10月に像の撤去を命じていた。
撤去されたのは高さ8メートルの「国恥の柱」。銅製で、デンマーク人彫刻家イェンス・ガルシュット氏が手掛けた。1989年に中国当局に殺害された民主派活動家の、苦悶(くもん)の表情を浮かべた遺体を積み重ねたデザインになっている。
建設作業員は夜通しでこの像を解体した。
大学は22日に像の撤去を決定したという。
大学は23日に出した声明で、「老朽化した像に関する決定は、外部の法的助言と、大学の最善の利益のためのリスク評価に基づいたもの」だと説明した。
また、「本校は壊れやすい像によって起こり得る安全性の問題を非常に懸念している」と付け加えた。
「国恥の柱」は香港にある数少ない天安門事件の公的記念碑の一つだった。
中国はこの大虐殺について言及することを厳しく禁じている。中国政府は最近、香港での中国の弾圧に反発する人々を黙らせようとしている。

画像提供, Getty Images
「墓石を壊すようなもの」
香港大学のキャンパスに24年間展示されてきた像の撤去を受け、ガルシュット氏は「実に残酷」だと述べた。
「これは死者の彫刻であり、1989年の北京で命を落とした人々を追悼するためのものだ。それをこのようなかたちで破壊するとは、墓地ですべての墓石を壊すようなものだ」と、BBC番組「ニューズアワー」で語った。
ガルシュット氏は当局を訴え、補償を求めることも検討するとした。
像が撤去される兆候は、22日夜遅くにみられた。まず、大学関係者が像の周辺をビニールシートで囲った。
そして、警備員が接近して撮影しようとする記者を阻んだ。
大学側はこの像を倉庫に保管するとしている。
1989年の夏、北京の天安門広場では何百人、おそらく何千人というデモ隊が中国軍に殺害された。
現代の中国において、天安門事件に関する話題は依然として厳しく検閲されている。香港では2020年に当局が新型コロナウイルス対策を理由に禁止するまで、追悼集会が毎年開かれていた。
10月には、2020年に禁止されていた追悼集会に参加したとして、香港の民主派活動家9人に禁錮6カ月~10カ月の有罪判決が言い渡された。












