ロシア、ウクライナから領内侵入の集団と戦闘と発表 ウクライナ側はパルチザン運動だと

ジェイムズ・グレゴリー、BBCニュース

A helicopter firing over Belgorod on 22 May

画像提供, Telegram

画像説明, 検証済みの映像にはベルゴロド上空を22日に飛ぶヘリコプターが映っている

ロシア当局は22日、同国西部ベルゴロド州にウクライナから武装集団が侵入し、衝突によって多数の負傷者が出ているとした。

ベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事は、「破壊工作員ら」が国境付近のグライヴォロンスキー地区を攻撃し、ロシア軍が捜索中だとした。

村への砲撃で2人が入院し、グライヴォロン町の3人が破片に当たるなど、計8人が負傷したという。

また、戦闘で住宅3棟と地元の行政庁舎が損壊し、「極めて緊迫した」状況が続いているという。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官によると、ウラジーミル・プーチン大統領はこの事態について報告を受けているという。

ウクライナは関与を否定。背後には二つの準軍事集団「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団(RVC)」に属するロシア人らが背後にいるとした。

自由ロシア軍団は、ウクライナを拠点とするロシア人の民兵組織で、プーチン氏の打倒を掲げてロシア国内で活動しているとされる。22日にはツイッターで、国境の町コジンカを「完全に解放した」と宣言。さらに東の町グライヴォロンに前方部隊が進んだとした。

ソーシャルメディアには22日、ベルゴロド州の映像が浮上。BBCヴェリファイ(検証チーム)が分析を進めている。

同州南部の国境検問所付近でドローン(無人航空機)から撮影されたとみられ、数台の装甲車が映っている。同州で活動するヘリコプターも確認できる。

映像は最近のものだが、どのような場面なのか明確ではない。

ロシア報道官はウクライナを非難

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、破壊工作グループの排除を進めていると、ロシアの通信社に話した。また、グループ側の目的はウクライナ東部バフムートから関心をそらすことだとした。バフムートでは、数カ月にわたって激しい流血戦が続いた末に、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」が制圧を主張している。

ペスコフ氏は、「破壊工作の目的は完全に分かっている。ウクライナ側がアルテモフスク(バフムート)を失ったことによる政治的影響を最小限にするため、バフムート方面から注意をそらそうとしている」と述べた。

ウクライナはバフムートの一部をまだ掌握しているとしている。

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ウクライナのユリク・サク国防相顧問は、「これらの攻撃の背後には、テロリスト政権の行為にうんざりしているロシア国民がいる」とBBCラジオの番組でコメントした。

サク氏は今回の事態を歓迎するとし、「ロシアのパルチザン運動が拡大している」と指摘した。

攻撃に関わった集団をかくまったり支援したりしているについては、肯定も否定もできないと述べた。

ウクライナは近く、ロシア軍に反撃することが広く予想されている。

ロシアがウクライナに本格侵攻を始めた昨年2月以降、ベルゴロドやその他の州は砲撃やドローン攻撃を受けている。

ロシア当局はウクライナ軍を非難しているが、ウクライナはロシア領内での破壊工作とされるものへの関与を否定している。

ロシアは先月、ウクライナ国境の北40キロメートルに位置するベルゴロド市に誤って爆弾を投下した。

数日後、不発弾が発見され、3000人以上が自宅から避難した。