ウクライナ、ロシアの極超音速ミサイルを迎撃したと発表 ロシアは防空システム破壊と主張
ヒューゴ・バシェーガ(キーウ)、キャスリン・アームストロング(ロンドン)BBCニュース

画像提供, Reuters
ウクライナは、16日に首都キーウを襲った「異例なほど密度の濃い」ミサイル攻撃の中で、極超音速空対地ミサイルを迎撃したと発表した。
ウクライナ当局は、ロシアの極超音速ミサイル「キンジャール」6発を空軍が撃墜したと発表した。空軍はこの日、キーウへ向けて短時間に集中的に撃ち込まれたミサイル計18発を迎撃。キンジャール6発はこの中に含まれるという。
ロシアは、キンジャールが既存の防空システムを回避できると主張している。その上でロシアは、ウクライナによるキンジャール撃墜を否定。アメリカがウクライナに供与した防空システム「パトリオット」1基を、キンジャールが破壊したとしている。
ウクライナはコメントを控えている。BBCは、双方の主張を独自に検証できていない。
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は16日夜、同国はウクライナが撃墜したと主張するほど多くのキンジャールを発射していないと述べた。
だが、ウクライナの主張が正しい場合、ロシアは最上級のミサイルが撃墜されたことにいら立ちを感じているだろう。これは、パトリオットを含む西側の近代的な防衛システムがウクライナに供給されていることが大きい。
ロシアはなお、時速1万1000キロメートルで飛ぶキンジャールを破壊できる防空システムは、世界に存在しないと強調している。
「キンジャール」はロシア語で「短刀」の意味。ほとんどの弾道ミサイルは飛行中に極超音速、つまり音速の5倍(時速約6000キロ)以上の速度に、一時的には到達する。
ウクライナ政府は先週、初めてキンジャールを迎撃したと発表した。
ウクライナは近く反攻を開始すると見られており、ロシアはここ数週間、空からの攻撃を加速させている。キーウは5月に入ってすでに8回の空爆を受けている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は13日のイタリア訪問を皮切りに、ヴァチカン、ドイツ、フランス、イギリスを歴訪しており、数十億ドル規模の軍備供与の約束を取り付けている。

画像提供, State Emergency Service of Ukraine
16日に撮影された映像には、防空システムがキーウ上空で標的を破壊している様子が映っている。
ウクライナ軍のヴァレリイ・ザルジニー総司令官は、ロシア軍は北と南と東からキーウを攻撃。海上と陸地から計18発のミサイルをキーウへ放ったが、ウクライナ側はそのすべてを迎撃したと述べた。
これには、黒海の戦艦から発射された巡航ミサイル「カリブル」9発と、地上から発射されたミサイル3発も含まれているという。
キーウの軍当局トップを務めるセルヒイ・ポプコ氏は、「最短の時間で最多の数のミサイル攻撃」が続いたと話した。
迎撃ミサイルの破片落下を警戒して、建物の窓から離れるよう政府は警告した。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、市内の動物園を含めた市中心部にもロケット砲の破片が落下したと話した。動物や職員にけがはなかったという。
昨年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、民間人と戦闘員の死傷者は数十万人に上るとされる。複数の市町村が破壊され、820万人近いウクライナ人が欧州内で難民として登録されている。そのうち280万人はロシア国内にいる。
(追加取材:クリス・パートリッジ BBC兵器アナリスト)









