戦闘で断水、ナイル川へ水をくみに……BBC記者がスーダンの現状を語る
モハメド・オスマン、BBCニュース(ハルツーム)

スーダンの首都ハルツームで普通の暮らしが中断してから6日がたち、私は初めて自宅を出た。街中ではまだ爆発音が聞こえるが、他に選択肢はなかった。水がなくなったのだ。だから私はナイル川へ向かった。
私は自宅で、妻と子供たちと一緒に隠れていた。国軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の衝突が、家の近くでも起きていた。砲撃音が聞こえると、家具の下に隠れて身を守ろうとした。
爆撃によって、水道管などの主要インフラが攻撃された。私たちは停電と断水に見舞われ、インターネットは切れたりつながったりを繰り返している。近くの店に水と日用品を買いに行ったが、店は閉まっていた。
多くの家族が、私たちと同じような状況にある。もう何日も家に閉じ込められ、食べ物と水がなくなりつつある。
そこで私は危険を冒してでも、世界最長の河川のひとつまで飲み水を探しに行くことにした。
自分で自分の車を運転した。ほとんどのガソリンスタンドは閉まり、価格も上がっているが、私の車にはまだガソリンがあったので。
私はスーダンで20年近く記者をしている。
これまでも、抗議運動や軍事クーデターを取材してきた。だが今の事態は私の身の回り、すぐそこの街中で起きている。そのため、今回の取材はかつてないほど厳しい。まるで死に囲まれているような気持ちだ。

ナイル川へ向かうと、私と同じように大勢が同じ場所に場所に集まっていた。
人々はここで体を洗い、洗い物をし、飲み水をくむ。
スーダンのこの地域では、白ナイル川と青ナイル川が並行して流れている。2つの河川はその先で混ざりあい、ナイル川としてエジプトへと向かう。
私は白ナイル川の西岸にいた。正確には、オムドゥルマンという街のファティハブと呼ばれる場所だ。遠くには戦闘地域から上がる煙が見える。国軍とRSFの双方が24時間の停戦を約束したにも関わず、激しい戦いが続いている。
仕方なくナイル川に飲み水や生活用水をくみに来た家族たちに、私はここで話を聞いた。
激しい戦闘のせいで、特にラマダン(イスラム教の断食月)の最中で、今週いかに大変だったか、水をくみに来た人たちは話してくれた。断水による影響、そして以前の渇水についても話してくれた。
「水道が完全に止まってしまったので、川に水をくみに来た。電気も停まってしまって、暗い中にいる。みんなが断食をしている間のことで、みんなとても、とても苦しい。女性や子供にも手伝ってもらわなくてはならない」と、1人の男性は話した。
別の女性は、40度にもなる気温の中でのこの状況はつらいと語った。
「こんなに暑いのに水がない。外に座っていないとならない。この国はどうなってしまったのか?」と、この女性は話した。
「5日間も電気が停まっている。水も電気もなくて、何もない」

多くの人が水をくみに来る。小さなバケツにくんで運ぶ人もいれば、運びやすくするため大きな容器を荷車に積んでくる人もいる。荷車はたいてい、ロバが引いている。
誰もがこの水を使う前に沸騰させているが、それでも完全にきれいになるとは言い難い。
幸いにして全ての水道が停まっているわけではないので、水の出る場所でボトルに入れる人もいる。
国連児童基金(ユニセフ)とスーダン政府は2017年、飲料水の安全性を調査した報告書で、「ナイル川の水の状態は、非常に深刻な水の汚染は起こっていない」と述べていた。しかそれでも、「水に関する健康リスクは急速に高まっている」と警告していた。
こうしたリスクは、人口増加とナイル川沿岸での経済活動、そして上下水道設備の不足によるものだと、報告書は指摘していた。
(追加取材:ローナ・ハンキン)









