ウクライナ関連などの米機密文書流出、安全保障上の「深刻なリスク」=米国防総省

Ukrainian troops

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画像説明, 流出した文書には、ロシアのウクライナ侵攻の現状に関して米側が集めた詳細な情報も含まれているとみられる

ロシアのウクライナ侵攻に関する米国防総省の機密文書が流出したことについて、同省は10日、国家安全保障上の「非常に深刻な」リスクだとの見解を示した。

流出文書には、ウクライナでの戦争や中国、アメリカの同盟国などについての機密情報が含まれているとみられる。

当局によると、それらの文書の書式は、幹部指導者らに出される文書と似ているという。

当局は流出者を特定するため、調査を始めている。

問題の文書は、ツイッター、4chan、テレグラムなどのオンラインプラットフォームや、コンピューターゲーム「マインクラフト」の「Discord」サーバーに最初に現れた。

ウクライナでの戦争に関するかなり詳細な情報や、アメリカの同盟国に関する機密の説明資料が含まれるとされる。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に近い関係者は、今回の流出の影響で、ウクライナは軍事計画の一部を変更したと米CNNに話した。

流出文書には、中東やインド太平洋地域の防衛・安全保障問題に関するものもあるとされる。

本物なのかと問われると

国防総省のクリス・ミーガー報道官は10日の記者会見で、流出した文書について、「国家安全保障上のきわめて深刻なリスクで、偽情報を拡散させる恐れがある」と述べた。

また、「本件がどのように起きたのか、どれくらい広がりがあるのかは、まだ調査中だ」と説明。「この種の情報がどのように誰に提供されるのか、細かく検討するための措置がとられている」と話した。

今回の文書について、本物だと国防総省は考えているのかと問われると、ミーガー氏は回答を避けた。ただ、いくつかの文書は「改ざんされているようだ」と述べた。

文書の流出をめぐっては、司法省や国防総省、ホワイトハウス、他の政府機関などが調査に着手している。

ウクライナでの影響は

国防総省は先週、文書の流出を認識した。ロイド・オースティン国防長官は今月6日、この件について初めて説明を受けたという。

今回の文書流出を受けて、米当局は同盟国に対し、「情報の保護と、安全保障のパートナーシップ厳守に関するアメリカの取り組み」を改めて伝えたと、ミーガー氏は説明した。

一方、国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、ジョー・バイデン大統領が先週、この情報流出について初めて説明を受けたと、記者会見で述べた。

カービー氏はまた、情報流出の拡大は阻止できたのか、あるいは今後も情報の公開が続くのかについて問われると、「わからない」と答えた。

BBCニュースはこれまでに20点以上の文書を確認した。その多くは、ウクライナ軍による開始が予想されている春の攻勢を前に、ウクライナとロシアの両軍の状態や、アメリカがウクライナに提供している訓練や軍備品について説明しているとみられる。また、ウクライナの各部隊の準備が整う時期や、軍備品の供給時期について詳述していると思われるものもある。

ミーガー氏は、今回の流出文書がウクライナの前線にどのような影響を与え得るのか、コメントを避けた。

一方で同氏は、「ウクライナはこの戦争で能力と力量を示した」、「アメリカは必要な限りウクライナと共にいると(米)大統領も(国防)長官も明確にしている」と述べた。