フィンランド、NATOに正式加盟 31番目の加盟国に 

Officials attend a flag-raising ceremony for Finland's accession at the NATO foreign ministers' meeting at the Alliance's headquarters in Brussels, Belgium April 4, 2023

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画像説明, フィンランドがNATOに正式加盟し、NATO本部前にフィンランド国旗が掲げられた(4日、ブリュッセル)

フィンランドが4日、北大西洋条約機構(NATO)の31番目の加盟国になった。ブリュッセルのNATO本部前で行われた式典で、フィンランドの国旗が掲げられた。中立を長く国の基本的な外交防衛方針としていたフィンランドは、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけにNATO加盟へと動いた。

フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領はNATO本部前の国旗掲揚式で演説し、「同盟に加盟することで、フィンランドは安全保障を得られる。他方でフィンランドは同盟に安全保障を提供する。フィンランドは、NATOの全加盟国の安全保障に強くかかわり、地域安定を強化する信頼できる同盟国となる」と述べた。

「フィンランドの加盟は、特定の誰かを標的にしたものではない」とした上で、「フィンランドは行動が安定して予見しやすい北欧の国で、紛争の平和的解決を目指す。フィンランドにとって重要な原則や価値は、今後も我々の外交の指針となる」と大統領は強調した。

さらに、「NATO加盟国として、フィンランドは変化と適応に対応できなくてはならない。加盟によってすべてが変わるわけではないが、同盟国になることで新しい考え方を取り入れ、法制を一部変更する必要が生じる」、「NATOの集団的抑止と防衛にフィンランドが最も大きく貢献するには、自国の領土の安全保障と防衛が基礎となるのは明らかだ」と述べた。

NATO加盟後の国旗掲揚式で演説するフィンランドのニーニスト大統領(4日、ブリュッセル)

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画像説明, NATO加盟後の国旗掲揚式で演説するフィンランドのニーニスト大統領(4日、ブリュッセル)

国旗掲揚式ではNATO賛歌とフィンランド国歌が演奏された。会場の外に集まった少人数の人たちはウクライナ国旗を振り、「NATOにウクライナを」と繰り返した。これは、そもそもなぜフィンランドがスウェーデンと共にNATO加盟を申請したのか、あらためて強調するかたちとなった。

国旗掲揚式に先立ち、NATO本部でフィンランドのペッカ・ハーヴィスト外相が、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官に加盟文書を手渡し、正式加盟の手続きが完了。ブリンケン長官が、フィンランドの加盟を宣言した。

ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官はBBCに対し、NATO拡大は「我々の安全保障と国益を侵害」するものだとして、NATOがどのようにフィンランド領土を使い「(ロシアの)脅威となるような武器システムやインフラを、国境間際に配備するか」を「注視する」と述べた。

フィンランドとロシアの国境は1340キロに及ぶ。フィンランドの加盟によって、NATO加盟諸国とロシアの国境の距離は倍の長さになった。北大西洋条約の第5条は、「欧州または北米における1または2以上の加盟国に対する武力攻撃は全加盟国への攻撃と見なす」と定めている。つまり、フィンランドが攻撃された場合には、アメリカを含むNATO全加盟国がフィンランドの防衛に協力すると決められている。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年2月のウクライナ侵攻開始前、NATOの東方拡大をロシアの安全保障にとっての脅威だと繰り返していた。長年にわたり中立を国の方針としていたフィンランドとスウェーデンは、ロシアのウクライナ侵攻を機に、NATO加盟申請に大きく舵を切った。フィンランドではウクライナでの戦争開始後、NATO加盟を支持する世論は8割に転じた。

フィンランドの正式加盟を受けて、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は記者団に、「これによってフィンランドはより安全になり、NATOは強化される」と述べた。「プーチン大統領はロシア国境でのNATOの存在を減らし、欧州でNATO加盟国をこれ以上増やさないことを、ウクライナ侵攻の目的として挙げていた。しかし、ウクライナ侵攻によって正反対の展開になった」と、事務総長は指摘した。

The final act of Finland's accession was completed as Finland's foreign minister Pekka Haavisto handed the accession document to Antony Blinken

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画像説明, フィンランドのハーヴィスト外相(左)が加盟文書をアメリカのブリンケン国務長官に渡し、NATO加盟の手続きが完了した(4日、ブリュッセル)

ブリンケン米国務長官は、「このことだけはプーチン氏に感謝できると言いたくなる」と述べた。「ロシアのウクライナ侵攻によって防ぎたいと言っていたことのきっかけを、またひとつプーチン氏自身が作ったので」。

フィンランドと共にスウェーデンも加盟を申請したものの、トルコとハンガリーがまだ認めていない。トルコは、自分たちがテロ組織とみなすクルド武装勢力をスウェーデンが支援していると非難している。

フィンランドの加盟文書をブリンケン長官に手渡したハーヴィスト外相は、加盟国として真っ先に「スウェーデンの加盟を承認する文書を(アメリカに)渡すこと」が自分の重要な役割だと話した。

フィンランドのニーニスト大統領はNATO本部前の国旗掲揚式で、スウェーデンが加盟するまで「フィンランドの加盟は完全なものにならない」と述べた。

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