NATO、ウクライナへの武器の追加提供と送電網の修復支援を約束

An air defence unit of Ukraine's National Guard shoots targets in the north-eastern Kharkiv region. Photo: November 2022

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画像説明, ウクライナはロシア軍のミサイル攻撃から自国を守るため、より高度な防空システムが必要だと主張している。画像は北東部ハルキウ州で標的を攻撃するウクライナ国家警備隊の防空部隊(11月)

北大西洋条約機構(NATO)は29日、ルーマニア・ブカレストで外相会合を開き、ウクライナにさらなる武器を提供し、ロシア軍のミサイルやドローンによる大規模攻撃で激しく損傷した重要エネルギーインフラの修復を支援すると約束した。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ロシア政府が「冬の寒さを武器として使おうとしている」と非難した。

「ロシアは実際のところ、戦場で失敗している。領土を獲得できず、いまでは民間の標的や都市を攻撃している」

イギリスのジェイムズ・クレヴァリー外相も、ロシアは「ウクライナ人を凍らせて降伏」させようとしていると述べた。

ウクライナではロシア軍の攻撃により、数百万人が凍えるような気温の中、電気も水道も使えない状態で生活している。

ウクライナはこの数カ月、より高度な防空システムを提供するようNATOに求めている。

戦時の捕虜や文民の保護などを規定した国際条約のジュネーヴ条約では、民間人や、生存に不可欠なインフラへの攻撃は戦争犯罪とされている。

G7、戦争犯罪疑惑を共同調査へ

こうした中、主要7カ国(G7)はドイツ・ベルリンで法相会合を開き、ウクライナでの戦争犯罪疑惑について共同で調査を行うことで合意した。

「ウクライナにおける残虐行為に関する司法審査には何年も、場合によっては何十年もかかるだろう。しかし我々は十分に準備をし、必要な限り粘り強く取り組んでいく」と、ドイツのマルコ・ブッシュマン法相は述べた。

2月24日にウクライナへの侵攻を命じたロシアのウラジーミル・プーチン大統領とロシア政府高官は戦争犯罪疑惑を否定している。

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NATOは「引き下がらない」

NATOはその後声明を発表し、ロシアがウクライナの生活用のエネルギー網を執拗に攻撃し、「数百万人から基本的な福祉サービスを奪っている」と指摘した。

また、NATO加盟国はウクライナのエネルギーインフラの修復と、ミサイル攻撃からの人々の保護を支援すると付け加えた。

Ukrainian Foreign Minister Dmytro Kuleba (left) and Nato Secretary General Jens Stoltenberg at a Nato summit in Bucharest, Romania. Photo: 29 November 2022

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画像説明, ウクライナのクレバ外相(左)はNATOのストルテンベルグ事務総長(右)に武器を「より早く、より早く、より早く」手に入れる必要があると伝えた。画像は共同会見に臨んだ2人(29日)

NATOのストルテンベルグ事務総長はウクライナのドミトロ・クレバ外相との共同記者会見で、「我々は必要な限りウクライナを支持する。引き下がることはしない」と述べた。

「プーチン大統領はウクライナで勝利できない。それが極めて重要であることを我々は認識している。ウクライナにとって悲劇であるが、それと同時に世界をより危険でより脆弱(ぜいじゃく)にする行為だ」

クレバ外相は、最後にNATO加盟国の高官と面会した際に自分が口にしたのは「武器、武器、武器」という言葉だったと述べた。

「本日、私は別の言葉を発した。より早く、より早く、より早く、と。これまでにしてもらったことには感謝しているが、戦争はいまも続いている。武器や生産ラインに関する決定はもっと早く下さなければならない」

ロシア領内を攻撃できるミサイルの提供は

エストニアのウルマス・レインサル外相はその後、BBC番組「ニューズアワー」に対し、NATOはロシア領内を攻撃できるミサイルをウクライナに提供する必要があると語った。

「ウクライナを助ける最も論理的な方法は、(ロシアの)ミサイルが発射される場所に効果的に侵入する能力を、ウクライナに与えることだ」

「すべてのオプションが交渉のテーブルにあるべきだ。(中略)レッドライン(越えてはならない一線)や、ただし書きはあるべきではない。(中略)我々はいかなる制限も設けるべきではない」

アメリカ主導のNATOは、核武装したロシアとの大規模な戦闘へとエスカレートするとの懸念から、ウクライナへの長距離ミサイルなどの供給を繰り返し拒否している。

氷点下の中、電力制限続く

ロシアが新たなミサイル攻撃を準備している可能性が指摘される中、ウクライナでは各地のエネルギー施設関係者が、数百万人への電力と水の供給を修復するため、気の遠くなるような作業を続けている。

同国の国営エネルギー会社「ウクルエネルゴ」は29日、国内の電力需要の70%しか満たせていないとし、電力の供給制限を続けると発表した。

冬の到来を迎えたウクライナでは多くの地域で降雪が観測され、気温は氷点下にまで低下している。

全国で低体温症による死者が出ることが懸念されている。

ウクライナ大統領夫人は英議会で演説

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の妻オレナ・ゼレンスカ氏は29日、イギリス議会を訪れ、ウクライナ人は第2次世界大戦にナチスドイツの空爆を受けたイギリスが経験したのと同様の恐怖を経験していると語った。

「私たちに必要なのは勝利だけではない。私たちには正義が必要だ」とし、自分は「正義を求めてあなた方に会いに来た。正義こそがこの戦争を終結に導くからだ」と述べた。