ウクライナ東部バフムートで市街戦、ロシアはまだ占領せず 副市長がBBCの取材で
ジェイムズ・ランデール(キーウ)、ローラ・ゴッジ(ロンドン)BBCニュース

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ウクライナ東部の前線バフムートで、ロシアとウクライナ両軍が市街戦を戦っている。同市のオレクサンデル・マルチェンコ副市長によると、ロシアは街を掌握していないという。
マルチェンコ氏はBBCラジオ番組「トゥデイ」に対し、街には民間人4000人が残っており、ガスや電気、水道の使えない状態でシェルターで生活していると語った。侵攻前の人口は約7万5000人。
バフムートでは、戦闘の影響を受けていない「建物は1棟もなく」、街は「ほぼ破壊された」という。
同市は数カ月にわたり、占領を試みるロシア軍の攻撃を受けている。バフムートを占領すれば、ロシアにとってはここ数カ月で数少ない戦場での成功となる。しかし、この街の戦略的価値は疑問視されている。
ロシア軍の勝利はいずれも成果よりも損害の方が大きい、割に合わないものになる可能性もあるという、専門家の意見もある。
数千人ものロシア兵が、バフムートをめぐる戦いで命を落としているという。ウクライナの司令官は、ロシア軍の犠牲者はウクライナ側の7倍になるとみている。
イギリス国防省は4日、ロシアがバフムートの北側で前進したため、ウクライナ保持する残りの三方が攻撃を受けやすくなったとの見方を示した。
こうしたなかでマルチェンコ氏は、ロシアにはバフムート救出の「目標などなく」、「ウクライナ人のジェノサイド(集団虐殺)」を意図していると非難した。
「市内は現在、通信ができない。街は遮断され、橋は破壊され、土地を干上がらせる戦術をロシアは使っている」
バフムート陥落は以前から予測されているが、6カ月にわたって起きていない。そのため、ウクライナ軍撤退の可能性があるという報告は、慎重に扱われるべきだ。
独立した情報源のない状態で、実際に何が起きているのかを知るのは難しい。両軍とも、正確な情報を提供するより、相手をかく乱させる方が得策だからだ。
だがウクライナの司令部は、ロシア軍に多大な損害を与えたにもかかわらず、人命と資金の両面において、バフムートを守るコストが大きすぎると計算し始めているかもしれない。
その場合ウクライナは、残った兵士を守り、再配備するために、西側のアナリストが「制御された戦闘撤退」と呼ぶ行動に出ようとするかもしれない。
しかし、どのような撤退にも、激しい戦いとそれなりの時間が必要となる。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今週初め、バフムート市の状況が「ますます困難になっている」と述べた。一方でウクライナ軍は3月3日、「多数の攻撃を撃退した」と報告している。
マルチェンコ氏は、「我々の領土を1インチたりとも敵に渡すべきではないと信じている」と述べた。「領土を守り、国民を守り、この土地に根付く商売を守るべきだ」。
また、「ロシア軍はバフムートを、マリウポリやポパスナのように破壊しようとしている」と述べた。
ロシアは昨年5月、東部の港湾都市マリウポリに3カ月にわたる激しい砲撃を行ったあと、占領した。マリウポリ攻防戦では甚大な数の犠牲者が出ている。

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今年1月にはバフムートから10キロほど離れたソレダルを占領したと宣言。ソレダルも、ウクライナ軍が撤退した際には倒壊した建物ばかりの荒れた土地になっていたと報じられている。
ゼレンスキー大統領は3日、「ロシアを止める」ためには砲弾や兵器がさらに必要だと強調した。
この日には、アメリカがウクライナに4億ドル(約540億円)規模の追加軍事支援を行うと発表。アントニー・ブリンケン米国務長官は、「この軍事支援パッケージには、ウクライナが自国を守るために非常に効果的に使用しているアメリカ提供の『ハイマース』や、榴弾砲のための追加の弾薬も含まれる」と説明した。












