ゼレンスキー氏、東部前線バフムートの状況「ますます困難に」 ロシアの猛攻で

People sit in a humanitarian aid centre in Bakhmut, Ukraine

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画像説明, ウクライナ東部バフムートの人道支援センターに避難する民間人(27日)

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は27日、東部の前線となっているバフムート市の状況が「ますます困難になっている」と述べた。

ロシア軍は6カ月以上前からバフムートの占領を狙っている。

ゼレンスキー氏は毎晩定例のビデオ演説で、バフムートで足場を固め、防衛線を保つことが、ロシアの新たな猛攻によってかなり厳しくなってきているとした。

また、同地域を「勇ましく守っている1人1人に感謝する」と述べた。

ゼレンスキー氏はさらに、「我々の陣地を守るために使用できるあらゆるものを、敵は絶えず破壊している」と主張。

「我が国の全ての領土」を「ロシアの恐怖」から守るため、現代の戦闘機を供与するよう西側各国に改めて呼びかけた。

この日、ウクライナの首都キーウをジャネット・イエレン米財務長官が訪問。ロシアに兵器を供与しないよう中国に警告した。

昨年2月の侵攻開始以降、工業都市のバフムートでは最も激しい戦闘の1つが起きている。街の一部地域はロシア軍と、ロシアの後ろ盾を受ける分離主義者の支配下に置かれている。

最近、バフムート掌握を狙うロシア軍の攻撃が激化し、ロシア軍が優勢になりつつある。

一方的に独立を宣言した親ロシア派地域、自称「ドネツク人民共和国」の分離主義者のリーダー、デニス・プシーリン氏は、バフムートに続く「実質的にすべての道路」は「(ロシアの)火器管制下にある」と述べた。

イエレン米財務長官がキーウ電撃訪問

27日にキーウを電撃訪問したイエレン米財務長官は、ウクライナへの経済・予算支援として新たに12億5000万ドル(約1700億円)を拠出すると発表した。

イエレン氏はジョー・バイデン米大統領が先週キーウを訪問した際に発した、この戦争でウクライナが勝つために必要である限り、アメリカはウクライナを支持していくとのメッセージを繰り返した。

US Treasury Secretary Janet Yellen (R) and US ambassador to Ukraine Bridget Brink look at destroyed Russian military vehicles displayed in an exhibition in Kyiv

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画像説明, イエレン米財務長官(右)は27日にウクライナ・キーウを電撃訪問した。アメリカのブリジット・ブリンク駐ウクライナ大使(右から2人目)と共に、市内に展示されている、破壊されたロシア軍の軍用車両などを見て回った

イエレン氏は米CNNのインタビューで、西側諸国がロシアに科している大規模な制裁措置によって、ロシア経済はまだ崩壊していないものの、時間の経過とともに弱体化していくと予想していると述べた。

また、ウクライナへ攻撃を仕掛ける中で破壊された軍備を補給するロシアの能力は「徐々に危険にさらされている」とし、中国からロシアにそうした兵器を供給する動きがあれば、「深刻な」結果につながるとも述べた。

「我々は、この戦争を遂行するための軍備へのアクセスをロシアから奪うことを目的とした制裁に組織的に違反することを、いかなる国にも容認しないということを極めて明確にしてきた」

「そして、これらの制裁に違反した場合、非常に厳しい結果が伴うことを、我々は中国政府に非常に明確に示してきたし、中国の企業や金融機関にも明確にしてきた」

アントニー・ブリンケン米国務長官は19日、中国がロシアに対して「殺傷力のある」兵器と弾薬の提供を検討しているとの見方を示した。中国政府はこの主張を強く否定している。

ロシア・モスクワで22日に行われた、中国の外交トップ王毅氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の会談は、中国とロシアの親密な関係を示すものだと見る向きは多い。