英スコットランドのスタージョン自治政府首相、辞任へ 記者会見で発表

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英スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は15日午前、辞任を発表した。与党・スコットランド国民党(SNP)が後任党首を選ぶまで、留任するという。スタージョン氏はSNPを率いて、2014年に自治政府の首相となった。スコットランド初の女性首相で、在任期間は最長だった。
エディンバラの公邸で急きょ記者会見したスタージョン氏は、「(自治政府首相に)就任した当初から、良く仕えるとは、ほとんど本能的に、適切な時になれば別の誰かに譲ることでもあると、そう信じてきた。そして、いざその時が来たら、たとえこの国の大勢が、そして自分の党の大勢が、辞任は早すぎると感じたとしても、辞める勇気をもつことだと。自分の頭と心の中で、今がその時だと分かっている。私にとって、私の党にとって、そして国にとって、これは正しいことだ。そのため、私は本日、(自治政府)首相と自党の党首を辞任すると発表します」と述べた。
政界から引退するわけではないとしながら、自分の辞任は短期的なプレッシャーによるものではなく、「もっと深く、もっと長期的な判断」によるとも話した。
スタージョン氏は、自治政府首相の立場は「計り知れない光栄なこと」で、辞任の是非を数週間にわたり自問自答していたと説明。自分の中で答えを要した点は2つあり、続投が自分にとって正しいことか、そしてそれが国と党と独立の大義にとって正しいことかを、自分に問いただした結果、両方への答えは「ノー」だったと、スタージョン氏は述べた。
スコットランド独立を重要目標として推進してきたスタージョン氏は、「独立の大義は、1人の人間よりもはるかに大きいものだ」と強調。スコットランド独立を支える動きを「確かなものにし」、さらに成長させるには、「スコットランド政界の分断を超えて連携する必要があり、それには新しいリーダーが必要だというのが、私の判断だ」とも述べた。
「この国が直面する課題の性質と規模を思えば、今日だけでなく今の議会任期が終わるまであと数年、活力あふれる首脳が国を率いるようにすることこそ、何よりこの国への責務だと感じる」とスタージョン氏は指摘。「私たちは重要な局面に直面している。(イギリス政府と最高裁が)独立への民主的なルートとしての住民投票を阻止したことは、民主政治上とんでもないことだ。それだけに、スコットランドの民主主義をいかに保全し、いかにスコットランドの人たちの意思が尊重されるようにするかは、私たちにかかっている」と述べた。
スタージョン氏は独立に向けた住民投票の再度実施に意欲を示し続けてきたが、イギリス政府はこれを阻止。イギリスの最高裁も昨年11月、スコットランド議会には住民投票実施を単独で決定する権限はないと判断を示した。
スタージョン氏はこれまで、SNPは次の総選挙を実質的な独立住民投票として戦うべきだと主張してきたが、SNP内には異論もある。これについてスタージョン氏は辞任会見で、SNPが独自に判断できるようSNPを「解放する」とも話した。
SNPは3月に特別党大会を開き、次の総選挙を実質的な独立住民投票として戦うかどうかを協議する予定だった。

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SNPのスティーヴン・ゲシンス元下院議員は、知らせを聞いて「驚いているし、残念だ」として、「ニコラ・スタージョンは、見事な指導者だった」とたたえた。自治政府首相の役職は「大変で、ストレスの多い」仕事で、スタージョン氏が見事にその職責を果たしてきただけに「後任は大変だ」とも述べた。
グラスゴー・セントラル選出のアリソン・シューリス下院議員は、スタージョン氏の辞任に「ひどいショック」を受けているとして、スタージョン氏は「素晴らしいリーダー」だったと話した。
BBCのスコットランド政治担当、フィリップ・シム記者は、スタージョン氏の辞任発表は「スコットランド政界のほぼ全員にとって予想外のことだった」ものの、その会見での様子から、熟慮の結果なのは明らかだったと指摘した。
スタージョン氏は、スコットランド議会が設置された1999年に初当選。2004年にSNPの副党首となり、2007年に自治政府の副首相となった。2014年にスコットランド独立をめぐる住民投票で独立が否決され、当時のアレックス・サモンドSNP党首が引責辞任した後、スタージョン氏が党首と首相に昇格。その後スタージョン氏は、複数の総選挙や地方選でSNPを勝利に導いてきた。
昨年末からは、性別変更手続きをスコットランド自治政府が簡素化したものの、イギリス政府がこの法制化を阻止した。











