北朝鮮、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」に兵器納入=米政府 北朝鮮は否定

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アメリカ政府は22日、ロシアの民間雇い兵組織「ワグネル」に、北朝鮮が兵器を納入したと発表した。ウクライナの戦場で使うための携帯型ミサイルやロケット砲だという。北朝鮮とワグネルは、これを否定している。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は22日の記者会見で、「北朝鮮がワグネルに兵器納入の第1弾を終えた」と発表。ワグネルは武器代を北朝鮮に支払ったという。
ホワイトハウスは、北朝鮮からの兵器納入は、北朝鮮の武器輸出を禁止する国連安全保障理事会の決議に違反するもので、米政府としてワグネルに追加制裁を科す方針だとしている。
カービー氏はワグネルについて、「自分たちのウクライナでの軍事行動を支援してくれる、兵器の調達先を世界中で探している」とも話した。
カービー氏によると、ワグネルは毎月1億ドル以上をウクライナの戦闘に費やしている。今やワグネルはロシア軍に匹敵する戦闘力との見方も示した。
イギリスのジェイムズ・クレヴァリー外相は、北朝鮮とワグネルの関係についてアメリカ政府の判断に同意すると発言。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「北朝鮮に助けを求めているのは、いかにロシアが必死で、しかも孤立しているかのあらわれだ」と述べた。
しかし、ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏はアメリカの主張を「ゴシップと憶測にすぎない」と否定。北朝鮮外務省は「根拠のない」話だとしている。
北朝鮮の報道官は、自分たちの姿勢は「不変」で、北朝鮮とロシアの間の武器取引など「起きていない」と主張した。

ワグネルが最初に戦闘に参加したのは、ロシアが2014年にクリミアを併合した時だと考えられている。
「プーチンのシェフ」とも呼ばれるプリゴジン氏は、かつてレストラン経営者で、クレムリン(ロシア大統領府)に料理を届けていた。
ロシア軍がウクライナで苦戦する中、ワグネルはその影響力と存在感を増している。
イギリス政府によると、2022年3月の時点でワグネルがウクライナに派遣した戦闘員は約1000人余りだったが、その数は今では2万人超に増加。ウクライナの戦場にいるロシア兵の約1割に相当するという。
ワグネルが一気に人数を増やしたのは、ロシアの刑務所で受刑者から戦闘員を募集しているからだと言われている。イギリス政府によると、ロシアの刑務所にいる受刑者にの数は今年11月までの2カ月で2万3000人以上、減少したことが公開情報からわかるという。これは、ワグネルが刑務所で兵を募集していた時期と重なる。
正確な人数は不明だが、この時期に多くの受刑者がワグネルに参加したものとみられる。ワグネルの雇い兵として前線で6カ月戦うのと引き換えに、受刑者は給料を得て、刑が減刑される。
ワグネルは最近ではウクライナのほかにシリアなど複数のアフリカ諸国でも活動しており、戦争犯罪や人権侵害を繰り返していると非難されている。










