プーチン氏、ウクライナ南部へルソン住民の避難承認 元受刑者の招集可能に

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は4日、ロシアが占領するウクライナ南部へルソンの住民に、避難するよう公の場で呼びかけた。他方、ウクライナ軍の反攻を受け、予備役を戦闘に動員しているロシアでは、最近服役を終えた殺人犯や麻薬密売人が軍に招集されることになった。
ロシアで11月4日は、「民族統一の日」の祝日。プーチン大統領はこの日、モスクワの赤の広場で開かれた記念式典に出席し、「民間の住民が苦しむべきではない」ため、危険な地域に住むヘルソン州の住民は避難すべきだと言明した。さらに、ウクライナ軍の攻撃にさらされる恐れのある民間人は「移動」させるべきだと述べた。
2月24日に軍事侵攻を開始して以来、ロシア軍が占領した主要都市はヘルソン州の州都ヘルソンのみ。戦略上の要衝でもあるこの港湾都市へ向けて、ウクライナ軍はこのところ着実に反攻を続け、市街地の周辺を奪還し続けている。
これまでに市内からすでに少なくとも市民7万人が、移動させられたという。
ウクライナ政府はこれまで、ロシア軍が占領地域のウクライナ人を強制移動させていると非難。戦時下の民間人の強制移送は、戦時国際法違反にあたるとされる。ロシアはこれを否定し続けている。
3日にはロシア兵もヘルソン市を離れ始めたという情報があり、撤退を意味するのかが注目されている。しかしこれについてウクライナ政府は、ウクライナ軍を油断させて襲撃するための策略かもしれないと、警戒している。
元受刑者を招集対象に

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予備役の動員に関する法律を変えた。凶悪犯罪を犯して刑務所に入り、最近出所した人も招集の対象にした。
子どもに対する性犯罪やテロ行為で有罪となった元受刑者は除外される。
ウクライナを侵攻中のロシア軍の兵士らに対しては、現地で犯罪を犯しているとの非難が出ている。
国連が設置した独立国際調査委員会は9月の報告書で、民間人に対する即決処刑や、「一部」兵士による性暴力などの戦争犯罪を、ロシア軍が犯したとした。
ウクライナも、ロシア軍による戦争犯罪とみられる事案を数万件確認したとしている。
ロシアは民間人への意図的な攻撃を否定。逆にウクライナ軍について、分離独立派が掌握している地域の民間人を砲撃対象にしていると非難している。ウクライナはこれを否定している。
国連委員会は、「ウクライナ兵によるロシア兵に対する不当な扱いを2件」確認しているものの、ロシアによる戦争犯罪に関する訴えのほうが「明らかにかなり多い」とした。
雇い兵として囚人募る
9月には、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」が、減刑と引き換えにウクライナでの戦闘に参加する囚人を募っていると報じられた。
ロシアの法律では、刑期短縮と引き換えに雇い兵になることは認められていない。しかし、ワグネルのトップのエフゲニー・プリゴジン氏が、ワグネルに加われば「誰も刑務所に戻ることはない」と囚人らに話す場面が撮影されている。
ワグネルは4日、ロシアで最初の公式本部をサンクトペテルブルク市に開設した。

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プーチン氏は4日の赤の広場での式典で、9月以降に動員された予備役約30万人のうち、約4万9000人がすでにウクライナにいる部隊に配属されたと発表した。
同氏はまた同じ演説で、志願兵の登録も「約5万人」に上ったと述べた。この日の式典には、親プーチン氏の官製社会団体「全ロシア人民戦線」の若者グループが出席していた。
西側とウクライナの軍事専門家は、プーチン氏による予備役の動員について、ロシア軍がウクライナの戦場でひどく失敗していることを示すものだと指摘する。
動員が発表されて以来、戦争に反対するロシア人男性が多数、国外に逃がれている。
ロシアが2月24日にウクライナに侵攻してから、何千人もの市民や戦闘員が死傷し、都市や町が破壊されている。約780万人のウクライナ人がヨーロッパで難民登録されており、うち280万人はロシアにいる。











