ロシア政府、部分的動員で「間違い」認める 高齢者など含まれ

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ロシア政府は26日、ウクライナでの戦闘に派遣する予備役の動員を進める中で間違いがあったと認めた。軍務経験のない人や高齢者など、派遣対象ではない人が招集されているとの報道もある。招集対象者の出国を防ぐため、政府が国境を封鎖するのではないかという報道については、政府幹部はそのような決定は承知していないと述べた。
ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は26日の記者説明で、予備役の動員で誤りが生じていることを認めた。部分的動員令に「違反しているケースが複数見つかった」とし、「すべての間違いは修正される」と付け加えた。
報道官はさらに、一部の地域では「知事が状況を是正するために積極的に取り組んでいる」とした。
ウラジーミル・プーチン大統領は21日、ウクライナ侵攻をめぐり予備役の「部分的な動員令」を発動した。その後、セルゲイ・ショイグ国防相が軍務経験がある予備役約30万人を招集すると説明。ロシアの予備役2500万人の1%強にあたる数だとした。招集手続きは数カ月続く。動員令は、一定の年齢制限や、身体の健康状態にもとづく制限が適用されるとしているが、それ以上の詳細は明記していない。
しかし実際には、招集が免除されるとしていた軍務経験のない人や高齢者、障害者が招集されているとの報告が相次いでいる。
また、欧州に拠点を移したロシアの独立系リベラル紙「ノーヴァヤ・ガゼータ」は、プーチン氏の部分的動員令には機密扱いの追加文章が含まれており、ロシア政府の公式サイトに掲載された部分的動員令からはその内容が省かれていると伝えている。
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西側とウクライナの多くの軍事専門家は、予備役招集の決定は、ロシア軍がウクライナの戦場で失策続きだと示すものだと指摘する。ウクライナ侵攻は7カ月以上続いている。
予備役の部分的動員令が発動されて以降、ロシア各地で抗議行動が広がっている。これまでに2000人以上が拘束されている。

プーチン氏とショイグ氏は限定的な招集だと約束するものの、これには重大な疑問があるという指摘がロシアのコメンテーターから相次いでいる。学生の招集や徴兵などの例外について何も記載がないと、複数の有識者は指摘。定員を満たすために誰を招集するのかは、各地域の責任者の判断に委ねられる可能性があるという。
こうしたなかプーチン氏は24日、学生を招集から除外することを明記した新たな大統領令に署名した。
国境封鎖は
予備役の部分的動員が発表されて以降、ロシアの多くの若者が国外への脱出を目指している。
ジョージアとの国境に向かって長い車列ができているのが、複数の衛星画像で確認できる。
招集対象になり得る人たちの出国を阻止するため、ロシア政府が国境を封鎖し、戒厳令を敷く可能性があると複数報じられた。
これについてペスコフ報道官は、国境封鎖や戒厳令について決定があったとは承知していないと記者団に述べた。

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国民の反発高まる
シベリア・ウスチイリムスクの徴兵事務所では26日、男が求人担当者に発砲し、致命傷を負わせる事件が発生した。
ソーシャルメディアに投稿された動画では、襲撃犯が担当者に近づき、発砲する様子が確認できる。犯人が建物内にいた人々に逃げるよう叫ぶと、居合わせた人たちは悲鳴を上げ、パニックになって走り出したことがわかる。
南部ダゲスタン共和国の首都マハチカラでは25日、部分的動員令をめぐりデモ参加者と警察が衝突した。
ロシアの人権状況を監視する独立系団体「OVD-Info」によると、マハチカラで100人以上が拘束された。
ソーシャルメディアには、マハチカラで住民が警察など治安当局に立ち向かう様子の動画が、次々と投稿された。
ロシア各地で、徴兵事務所や行政庁舎への放火が相次いでいるとの報告もある。










